レズビアン雑誌「フリーネ」創刊号に見るレズビアン事情の今昔

最近百合ネタ/レズビアンネタのエントリが多かったので、資料として古いレズビアン雑誌に目を通したりしてたのですが、どれも今読むとなかなか面白いですな。
以下、「フリーネ」創刊号(三和出版、1995年6月15日発行)を読んで気づいたことのメモなど。

百合ブームはまだだった

p286の「フリーネ・カルチャー・ガイド」を見てみると、

同人誌で、♂♂モノはすっかり定着した感があるけど、女性による♀♀モノはまだ全然少ないみたい。(中略)現在、流行っているのは、セーラームーン(特に、はるか&みちるという原作・アニメでも公然とカップルしている二人の戦士が人気)。あと、赤ずきんちゃちゃ、レイヤース*1など。

マリア様がみてる』以前はこんなもんだったんですね。ちなみにこちらによると、『マリア様がみてる』第一巻が出たのは1998年5月10日。百合ブームはまだまだ先だったわけです。

インターネットもまだだった

なんと言ってもまだWin95すらない頃(Windows95の発売は1995年11月23日)だからか、レズビアン同士の交流では「文通欄」が大活躍しています。「出会いサイトに携帯から書き込んで、その日のうちにセフレゲット」みたいな現代のノリは、完全に異世界ね。パソ通レズビアン・ゲイ向けネットワークなんかも一応紹介されてはいるけど、「パソコン通信」と並んで「ワープロ通信」って言葉が載ってるのが時代だわ……。

レズビアン」でも「百合」でも「ビアン」でもなく、♀♀という表記が多用されている

「♀♀本」「♀♀コミック」「♀♀パーティ」「♀♀雑誌」「♀♀カップル」等等。とりあえず一番ニュートラルな表記を、という判断なんでしょうか。
ちなみに前述の文通欄の表記をカウントしてみると、こんなでした。

ま、文通欄は文字数が限られているから♀♀表記が一番都合がいいってことはありそうですが。

まとめになってないまとめ

もっと細かく読み込んで、最近の「カーミラ」とかと比較してみると面白いかも。誰か、やりません?

*1:レイアースの誤植と思われます。