コアの筋トレ+ストレッチ

疲れがたまっているのでヘビーな筋トレは避け、ハリウッドトレーナーの「Core and Stretch It Out」を最初から最後まで実行。つまり、コアの筋トレをした後で、30分ぐらいかけてみっちりと全身をストレッチ。ヨガ以外でゆっくり時間をかけて体をほぐすのは久しぶりで、楽しかったです。

マレン米統合参謀本部議長、同性愛者の軍勤務を是認


【2月3日 AFP】マイケル・マレン(Mike Mullen)米統合参謀本部議長は2日、米上院軍事委員会の公聴会で、同性愛者であることを公言する者の米軍勤務を禁じた法律の撤廃を「正しいことだ」と語り、撤廃を支持する意向を示した。

マレン議長は、「わたし自身、あくまでもわたし自身に限って言えば、ゲイやレズビアンを公言する人びとの軍勤務を認めることは正しいことだと考えている」と語った。

ということで、軍の上層部からも"don't ask, don't tell (DADT)"撤廃を支持する姿勢が出てきているみたいです。AFPによると、「米軍の制服組トップの統合参謀本部議長が同性愛者の軍勤務を禁じる方針の撤廃に賛意を示したのはマレン氏が初めて」だとのことで、この発言の持つ意味は大きいと思います。過去には、「元」統合参謀本部議長のシャリカシュビリ氏がDADT廃止を提言したことはあった*1んですが、現役制服組トップがこうした発言をしたことはなかったみたいですねどうやら。

ただ、あんまり手放しでは喜べないのは、


一方で、マレン議長とロバート・ゲイツ(Robert Gates)米国防長官は、この法律を廃止した場合の影響を1年かけて調べる計画を明らかにしており、少なくとも今後1年間はこの問題をめぐる具体的な動きはないとみられる。
ということ。結局、オバマ大統領と同じで、具体的にいつまでに撤廃されるかという確約はないわけですよ。

ニューヨーク・タイムズが、この「調査」についての反応をいろいろ集めていて、面白かったです。2つほど引用してみます。

まず、UCLAサンタバーバラ校の政治科学助教授Aaron Belkin氏の意見。


このようなためらいがちな態度は不必要なばかりか、思慮に欠けている。
Such tentativeness is not only unnecessary, but unwise.

1993年のランド・コーポレーションの研究では、同性愛者であることを公言する者の軍隊勤務は問題ないが、戦場での不安や疑念を避けるため、新しい方針は「出来る限り迅速に決断し、実行に移され」ねばならないという結論が出ている。英国、カナダ、イスラエルの軍隊では、同性愛者であることを公表している者の軍勤務を認めると政治家が決定した後、ただちに差別を撤廃したポリシーが実行に移され、成功をおさめている。
A 1993 Rand report concluded that openly gay service is unproblematic, but that the new policy must be “decided upon and implemented as quickly as possible” to avoid anxiety and uncertainty in the field. The British, Canadian and Israeli militaries implemented inclusive policies almost immediately after politicians decided to allow open gay service, and their experiences were successful.

次に、米空軍の復員軍人で、“Language and Gender in the Military”(直訳すると『軍隊における言語とジェンダー』)という本の著者であるEdith A. Dislerさん。


長年ペンタゴンにいたので、このような「調査」が、次の指導者に交代するまで決定を先送りにするための手段だということはわかりきっています。指導者なのに「指導」はせず、責任回避しているんです。
I had enough years in the Pentagon to know that a “study” is a tried and true method of putting the decision off onto the next round of leadership. It isn’t “leading”; it’s a cop-out.

というわけで、今の段階ではまだまだ油断は禁物と言ったところでしょうか。引き続き、関連ニュースを見守っていきたいと思います。

単語・語句など

単語・語句 意味
Chairman of the Joint Chiefs of Staff (CJCS) 統合参謀本部議長
tentativeness ためらいがちなこと、不確かさ
cop-out 言い逃れ、責任回避(をする人)
implement 履行する、実行する

UKのトランス女性、「違法だから」と女子トイレから排除され訴訟を起こす

英国North Tyneside郡のトランス女性Katrina Harteさん(46)が、いきつけのパブBriar Deneの従業員から女子トイレの使用を禁じられ、訴訟を起こしたというニュース。

Harteさんは数年前からトランジションにとりかかっており、今は最後の手術を待っている状態とのこと。18歳のときからこのパブに通っていて、女性として暮らし始めたときからずっと、パブのスタッフや常連たちに支えられてきたそうです。

ところがサン紙によると、4週間前、このパブの従業員のひとりがHarteさんが女子トイレを使うのは「法律違反」だと言い、今後は女子トイレではなく障害者用トイレを使えと要求したとのこと。「そんな法律は聞いたことがありません」とHarteさんは語っています。あたしも聞いたことないわ、そんな法律。

以下、Harteさんの言葉。


「気分が悪くなり、裏切られたと思いました。ただでさえトランスセクシュアルが飲みに行けるパブを探すのは大変なんです」
“I just felt sick and betrayed. It is hard enough for transsexuals to find pubs to drink in."


「私は本当に今後もあの店で飲みたいんです。フレンドリーなパブだし、あの店では長年たくさんのお金を使ってきました。気持ち良くすごせる場所を見つけたと思っていたんです」
“I really want to keep drinking there. It’s a friendly pub and over the years I have put a lot of money in their tills. I thought I had found somewhere I feel comfortable.”

この1件以来、Harteさんはくだんのパブには行っておらず、Briar Deneを差別で告訴したとのこと。Harteさんを支援するフェイスブックのグループには、既に260名ものメンバーが集まっているそうです。

トランスとトイレの問題って根深いんですが、この1件でわからないのは、どうして30年以上もそのパブの常連だったHarteさんが今さら女子トイレから閉め出されたのかです。ずっと通ってたわけですから、彼女が数年前からトランジションを始めたことも、その後女性として生活していることも知ってるわけでしょう、お店も常連も? それがなぜ、突然ありもしない法律を持ち出して「もう女子トイレは使うな」ってことになったのか理解不能です。

  • スタッフが偏見持ちのド新人だったとか?(ならそのスタッフを教育しろよ)
  • 文句を言う客がいたとか?(今さらその客の肩を持って常連のHarteさんを排除する理由は?)

……どう考えても腑に落ちないわ。

なお、「法律上『女性』になっていれば女子トイレを使ってもいいのでは」みたいな意見が出てきそうなので釘を刺しておきますが、UKの法律では、その性別での生活を一定期間おこなった後でなければ法的な性別変更が認められなかったはず。つまり、女性として女子トイレを使う生活を何年か送った後でなければ、法的に「女性」になれないわけですよ。トランスするために女性としての生活歴を積む期間に女子トイレの使用を禁じられるというのは矛盾しており、同意できるものではありません。早いとこ訴訟が落ち着いて、Harteさんが再び楽しくパブで飲めるようになるといいと思います。

レズビアンのアホウドリにヒナ誕生

ニュージーランド南島で、シロアホウドリのメス同士のカップルにヒナが誕生したというニュース。

シロアホウドリのメス同士がつがいをつくることは珍しくなく、この2羽が住むコロニーでは、ここ70年間に3組のレズビアンカップルが誕生しているとのこと。しかし、シロアホウドリのメス同士のカップルが卵を孵すことはめったにないのだそうです。

ちなみにシロアホウドリ絶滅危惧種で、このコロニーでは今年17羽のヒナが生まれたとのこと。メス同士のつがいが孵した卵の父親はわかっていないそうです。

環境保護庁のスポークスマンRobin Thomas氏は、AAPに対し以下のように語っています。


「明らかに2羽のうち1羽がオスと交尾をして、卵が有精卵になったのです。1個だけの卵が温められ、それが孵りました」
"One of them obviously mated so their egg was fertile. Only one egg was laid and that's now hatched."

Thomas氏によると、3羽は母子ともに元気だそうです。

想像だけで「自然界に同性愛はない! よって同性愛は嫌悪されて当然」とかうそぶく人にぜひ知っていただきたいニュースですが、そういう人の脳みそはこういう情報を華麗にスルーするんだろうなあ。あるいは、「オスとヤったんならレズじゃないだろ!」とか言って必死で否認するだけなんだろうなー。人間にだって、異性婚でもうけた子供を離婚後女性パートナーと育てているレズビアンもいれば、精子だけもらって人工授精で子供を産むレズビアンもいるんですけどね。ま、いいや。

ちなみにメス同士でつがいをつくるのはシロアホウドリだけではなく、コアホウドリなんかもそうです。コアホウドリでは実にカップルの3分の1近くがメス同士で、メス同士で子育てもおこなうのが普通です。以下、以前「生物学者「動物の同性愛は『一種の適応』」 - みやきち日記」に引用した文を再掲しておきます。


コアホウドリは一夫一婦制が普通だが、メスの数がオスより多い。その結果、カップルの3分の1近くがメス同士だ。メス同士のカップルは、メス1羽だけの場合より子育てがうまい。また、独り身のメスが、ほかの巣にいるつがいのオスを誘惑するといったことが減る。
この場合の同性愛は、コアホウドリのコミュニティー全体に大きな利益をもたらしている。

以下、さらに2つおまけ。このへんの話題に興味がある人におすすめの資料です。

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単語・語句など

単語・語句 意味
royal albatross シロアホウドリ
Department of Conservation 環境保護

「ゲイの俳優には『見えない障壁』がある」コリン・ファース語る

英国の俳優コリン・ファースが、カミングアウトしているゲイの俳優は「見えない障壁」のために主役がもらえないと発言したというニュース。

コリン・ファース自身はストレートで、トム・フォード初監督作品『A Single Man』の中でゲイ役を務めています。こんな映画です。

ファースはこの映画の公開初日である2010年2月1日に、以下のごとく語っているそうです。


異性愛者として知られている人がゲイの役を演じると、賞*1がもらえます。ゲイ男性が異性愛者の役をやりたいと思っても、役はもらえません――そして、ゲイ男性がそれならゲイの役をやろうと思っても、やはり役はもらえないんです。
「この件については自分も共犯だと感じていると申し上げておかねばなりません。共犯者でありたいわけではないのです。私は、誰でもどんな役でも演じることを許されるようでなければならないと思います。しかし、いまだ越えることのできない見えない壁があると私は思っています」
"If you're known as a straight guy, playing a gay role, you get rewarded for that. If you're a gay man and you want to play a straight role, you don't get cast – and if a gay man wants to play a gay role now, you don't get cast.
"I think it needs to be addressed and I feel complicit in the problem. I don't mean to be. I think we should all be allowed to play whoever – but I think there are still some invisible boundaries which are still uncrossable."

元記事にもありますが、これってルパート・エヴェレットの「ゲイの俳優は、成功したければクロゼットにとどまるべきだ」という発言(参考:ルパート・エヴェレット「ゲイの俳優はクロゼットにとどまるべき」 - みやきち日記)にも通じるものがありますね。

うろ覚えですけど、映画『フィラデルフィア』が大当たりするまでは、ゲイ役をやりたがる異性愛者の役者ってかなり少なかったんじゃありませんでしたっけ。ところがトム・ハンクスがオスカーを獲って以来、ノンケ役者がゲイを演じることが一種のトレンドになり、マスコミに向かって「僕はゲイではありません」「キスシーンが気持ち悪かったけど、がんばりました」みたいなことをにこやかに言いつつゲイ役をやる人が増えてきた、と。

でもその反面、同性愛者の俳優がノンケ役を演じる機会は少ないし、演じたところで「キスシーンが気持ち悪かったけど(略)」なんて笑いながら言うことは決して許されないわけです。何なんでしょうね、この非対称性。やはり大真面目に異性同士のロマンティック・ラブを再生産しまくって食っている業界(パニック映画でもSFでもくどいほど『男女の愛』が出てくるもんね)だけに、そのへん保守的だってことなんでしょうか?

単語・語句など

単語・語句 意味
complicit 共犯の、共謀の

*1:「報酬」と訳してもいいかも。