レズビアンのアホウドリにヒナ誕生
ニュージーランド南島で、シロアホウドリのメス同士のカップルにヒナが誕生したというニュース。
シロアホウドリのメス同士がつがいをつくることは珍しくなく、この2羽が住むコロニーでは、ここ70年間に3組のレズビアン・カップルが誕生しているとのこと。しかし、シロアホウドリのメス同士のカップルが卵を孵すことはめったにないのだそうです。
ちなみにシロアホウドリは絶滅危惧種で、このコロニーでは今年17羽のヒナが生まれたとのこと。メス同士のつがいが孵した卵の父親はわかっていないそうです。
環境保護庁のスポークスマンRobin Thomas氏は、AAPに対し以下のように語っています。
「明らかに2羽のうち1羽がオスと交尾をして、卵が有精卵になったのです。1個だけの卵が温められ、それが孵りました」
"One of them obviously mated so their egg was fertile. Only one egg was laid and that's now hatched."
Thomas氏によると、3羽は母子ともに元気だそうです。
想像だけで「自然界に同性愛はない! よって同性愛は嫌悪されて当然」とかうそぶく人にぜひ知っていただきたいニュースですが、そういう人の脳みそはこういう情報を華麗にスルーするんだろうなあ。あるいは、「オスとヤったんならレズじゃないだろ!」とか言って必死で否認するだけなんだろうなー。人間にだって、異性婚でもうけた子供を離婚後女性パートナーと育てているレズビアンもいれば、精子だけもらって人工授精で子供を産むレズビアンもいるんですけどね。ま、いいや。
ちなみにメス同士でつがいをつくるのはシロアホウドリだけではなく、コアホウドリなんかもそうです。コアホウドリでは実にカップルの3分の1近くがメス同士で、メス同士で子育てもおこなうのが普通です。以下、以前「生物学者「動物の同性愛は『一種の適応』」 - みやきち日記」に引用した文を再掲しておきます。
コアホウドリは一夫一婦制が普通だが、メスの数がオスより多い。その結果、カップルの3分の1近くがメス同士だ。メス同士のカップルは、メス1羽だけの場合より子育てがうまい。また、独り身のメスが、ほかの巣にいるつがいのオスを誘惑するといったことが減る。
この場合の同性愛は、コアホウドリのコミュニティー全体に大きな利益をもたらしている。
以下、さらに2つおまけ。このへんの話題に興味がある人におすすめの資料です。
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