オックスフォード英語辞典が「結婚」の定義変更へ 同性婚を含む記述に

オックスフォード大学出版局が刊行する世界最大の英語辞典「オックスフォード英語辞典(OED)」が、"marariage"(結婚)という語の定義を変え、同性婚を含む表現にするそうです。

詳細は以下。

OEDはあたしも使ってますが、現行だと"marriage"の定義はこう。(日本語訳はみやきちによります)


ひとりの男性とひとりの男女の公式な結びつき。一般的には法によって認められ、これにより男女は夫妻となる
the formal union of a man and a woman, typically as recognized by law, by which they become husband and wife

しかし同性婚が各国で着々と認められている現在、この定義ではもう実情に合ってないわけですよ。これに抗議するため、本屋や図書館の辞書に勝手にステッカーを貼って定義を更新してしまうという、「ハックマリッジ」(Hack Marriage)という活動まで起こっているぐらいです。

オックスフォードのスポークスウーマンは、Gay Star Newsに対して以下のように述べているとのこと。


「わたしたちは常にオックスフォードの辞典に含まれる語をチェックし、用法が変化している語には特に注意を払っていますから、ええ、結婚についてもそうするでしょう」
‘We continually monitor the words in our dictionaries, paying particular to those words whose usage is shifting, so yes, this will happen with marriage.’

Gay Star Newsによると、オックスフォードは来年1年かけてこの語がどう変わっているか調べる予定なのだそうです。

ちなみにお隣のフランスでは、ラルースの辞典が既に結婚の定義に同性婚の概念を導入しています。英訳からさらに和訳すると、こんなでしょうか。


「2人の同性または異性間の厳粛な行為であり、その2人は結合を確立させようと決意しているもの」
‘solemn act between two same-sex or different-sex persons, who decide to establish a union’

英語圏だとメリアム・ウェブスターがいちはやく定義に同性婚を含めたことで有名ですよね。これらに比べるとOEDはずいぶん動きが遅い気もしますが、ひょっとしたら今年英国(イングランドとウェールズ)で同性婚が法制化されたことでようやくケツに火がついたのかも。OEDはなんだかんだ言って権威ある辞書なので、早いとこ現実に追いついた表記に変えてほしいと思います。

リズ・カムーシェ、UFC初のオープンリー・レズビアン対決で勝利

2013年7月27日、米国でおこなわれたUFC初のオープンリー・レズビアン同士の対戦で、リズ・カムーシェ選手がジェシカ・アンドラージ*1選手を2RTKOで下しました。日本での放映を録画して見たけど、面白かったよ! 

詳細は以下。

試合の模様はこちら。

試合動画はMMA fight videosでも見られます。

いやーカムーシェさん強かった。第1ラウンドでギロチンチョークをかけられるもしのぎ切り、第2ラウンドはドミナントポジションで終始相手をコントロールしつつタコ殴り。レフェリーが止めるの遅かったんじゃないのと思ってしまうような、圧倒的な勝ち方だったと思います。このまま勝ち星を重ねて、チャンピオンのロンダ・ラウジー選手とリマッチしてほしいです。

破れたアンドラージさんも21歳とまだ若いし、肩車かっこよかったし、これからが楽しみですね。なお、WOWOWでの生中継時の解説によると、この人のニックネームの「パイルドライバー」("Bate Estaca")というのはプロレス技ではなく本来の「杭打ち機」という意味から来ていて、彼女がハードパンチャーであることを示すものなんだそうです。力をつけてまたカムーシェ戦をやってくれると嬉しいな。

なお、この試合は7月29日(月)夜11時からWOWOWライブで再放送されるので、見逃してしまった方はぜひどうぞ。

*1:うちのLGBTニュースではこれまで『アンドラーデ』と表記していましたが、日本語のTV放送で『アンドラージ』だとわかったので、今後は『アンドラージ』で統一します。

UFCカムーシェVSアンドラージ戦、日本でも7月28日生中継

先日お知らせしたUFC史上初のオープンリー・レズビアン同士のカードが、日本でもWOWOWライブで生中継されるみたいです。放映日時は日本時間で2013年7月28日(日)午前9:00〜午後0:30、番組名は「生中継! UFC162.5 光速決戦! フライ級タイトルマッチ」。再放送は同じくWOWOWライブで7月29(月)午後11:00。
詳しくは以下をどうぞ。

WOWOWオンラインのページにはカムーシェ選手とアンドラージ選手の名前は出てないんだけど、時間といいメインカード(ジョンソンVSモラガ)といい、UFC on FOX 8と同内容と思って間違いないかと。さっそく録画予約しました。楽しみです!

那覇市で「ピンクドット沖縄」初開催 約800人が参加

2013年7月14日、沖縄県那覇市性的少数者のイベント「ピンクドット沖縄」が開催され、約800人がピンク色をまとって集結しました。ピンクドットとは2009年にシンガポールで始まったイベントで、それがついに日本上陸したわけです。主催者は2014年にもピンクドット沖縄を開催したいと表明しています。

詳細は以下。


性的少数者が生きやすい社会づくりに賛同する人々がピンク色の服や物を身に着けて集まるイベント「ピンクドット沖縄」(主催・同実行委員会)が14日、那覇市のてんぶす前広場で開かれた。予想を上回る約800人(主催者発表)の支援者らが集まり、会場はピンク色に染まった。

Gay Star Newsによると、オーガナイザーは約100人程度の参加者を見込んでいたんだそうです。それが800人って、大成功では。ピンクドット沖縄の公式サイトには「沖縄では壁をやぶる歴史的な第一歩になったと言えると思います」とありますが、あたしもその通りだと思います。

ピンクドット沖縄の動画は、現時点ではまだ上がっていないようです。ピンクドットというイベントそのものがどんな雰囲気なのかをつかむには、シンガポールの2012年のこちらの動画がわかりやすいかと。(字幕はピンクドット沖縄さんによります)。

個人的には、記念すべき第1回(2009年)の、以下の映像も好きです。随所に漂うアジアっぽさや、それでいてアジア一色ではないところ(シンガポール多民族国家だから、当然と言えば当然ですが)、そして2:02〜でおばちゃんが叫ぶ「(ピンクドットには)誰でも、誰でも招待されています」("Everybody, everybody is invited.")という呼びかけがたまりません。

2009年にこの映像を見て「いいなあ!」と思い、いつか自分もピンクの服着て参加するぞと決意したのですが、まさかそれより先にピンクドットの方が日本上陸するとは。これは嬉しい驚きでした。こうなったら本家シンガポールにも、沖縄にも、両方行きたいぞ!!

UFC、7月27日に史上初のオープンリー・レズビアン同士の試合を予定

オープンリー・レズビアンUFCファイター、リズ・カムーシェ( Liz Carmouche)選手が、同じくオープンリー・レズビアンの新人選手ジェシカ・アンドラージ(Jessica Andrade)選手と、米国ワシントン州で2013年7月27日に試合をおこなうそうです。レズビアンであることを公言している格闘家同士の対戦は、これが史上初とのこと。

詳細は以下。

カムーシェ選手はUFCで初めて同性愛者としてカミングアウトした選手です。UFCのプロフィールページによると出身地は米国で、現在29歳。167cm61kg。Kenpo(アメリカン拳法?)の黄帯と柔術の青帯を所持。海兵隊時代に総合格闘技を始め、これまでの戦績は7勝3敗。ニックネームは「Girlrilla」で、おそらくこれは「Girl」と「Gorilla」の合成語。なおUFCのサイトでは説明されていませんが、あ彼女h「lizbos」(『リズのファンのレズビアンたち』ぐらいの意味ね)と呼ばれる、熱狂的なファン層を持つことで有名だったりします。対戦相手のアンドラージ選手については、立ち技が強力でグラップリングの才能もあり、寝技でも素早いと評し、「試合を楽しみにしています」と話しているそうです。
カムーシェ選手のファイトスタイルは、こんな感じ。

次にアンドラージ選手のプロフィールを見てみましょう。こちらはブラジル出身で21歳、160cm61kg。戦績は9勝2敗で、ニックネームは「Bate Estaca」、つまり「パイルドライバー」。柔術の青帯とムエタイ赤帯(ブラジルのムエタイには段位があり、赤帯は三番目の段だそうです)を持っているそうです。カムーシェ選手については「フィジカルがとても強い」「レスリングやストライキングが非常にうまい」と述べ、対戦を楽しみにしているとのこと。
アンドラージ選手の戦いっぷりは、こちらをどうぞ。

両者の対決は2013年7月27日、シアトルのキーアリーナでおこなわれます。本国ではFOXが放映するみたいだけど、日本はどうなんだろう。録画でもいいから、やってくれないかなー。

追記

日本でもWOWOWライブで生中継されるみたいです。日時は7月28日午前9:00〜午後0:30、番組名は「生中継! UFC162.5 光速決戦! フライ級タイトルマッチ」。再放送は同じくWOWOWライブで7月29(月)午後11:00。詳しくは以下を。

イングランドとウェールズの同性婚法が成立

2013年7月17日、イングランドウェールズでの同性婚を認める法律が、英女王の裁可を得て成立しました。この法律が発効して同国初の同性婚がおこなわれるのは2014年の夏になるとの見通しです。

詳細は以下。


イギリス議会の下院は16日、同性婚を認める法案について修正案を承認し、週内にも同性婚を認める法律が成立する見通しとなりました。
イギリスでは、2005年に同性のカップルを「市民パートナー」として登録する法律が施行され、結婚とほぼ同等の権利が認められてきましたが、市民の間では、法律上も結婚としての地位を認めるべきだという声が高まっていました。


イングランドウェールズのための平等な結婚法案は本日国王の裁可を得、公的に法制化された。
女王による裁可は水曜日の15:06に下され、これにより同法案はMarriage (Same Sex Couples) Act(直訳すると『結婚(同性カップル)法』)となった
The equal marriage bill for England and Wales was today given Royal Assent, and is now officially law.
The Queen’s Royal Assent was granted to the bill on Wednesday at 15:06, turning it into the Marriage (Same Sex Couples) Act

フランス同性婚法制化、米国でDOMA違憲判決ときて、今度は英国か! 2013年は激動の年ですねえ。
ちなみにNHKの方のニュースだと「イギリス」としか書かれていないのでわかりにくいんですが、これは正確にはイングランドウェールズでの同性婚を認める法律であって、スコットランド北アイルランドはまだこれからです。なお、スコットランドでは2013年6月、議会に同性婚法案が提出されたところ。北アイルランドでは、2013年6月の統計調査で、市民の57パーセントが同性婚法制化を支持していますLGBT運動家たちは、スコットランドと北アイルランドで同性婚できるようになるまで運動を続けると表明しているそうです。

レディー・ガガ、DOMAの終焉を祝し国家の替え歌を熱唱

同性婚を認めない連邦法「結婚防衛法(DOMA)」を米連邦最高裁違憲としたことを祝し、レディー・ガガが2013年6月28日、ニューヨーク市のゲイ・プライド集会でアメリカ合衆国国家を歌ったそうです。しかも、即興で歌詞を一部LGBTバージョンに変えて。

詳細は以下。

動画を見ると、歌詞の“star-spangled banner”(星を散りばめた旗=星条旗)を”star-spangled flag of pride”(星を散りばめたプライドの旗)に、そして“home of the brave”(勇者の故郷) を“home for the gays” (ゲイのための故郷)に変えたところで観衆が大熱狂しているのがわかります。よく見ると右手でレインボーフラッグを胸に当てて歌っているのもわかりますね。

レディー・ガガは、この歌を歌う前のスピーチで、子供の頃のけ者にされていた自分をありのままに受け入れてくれたのはLGBTコミュニティーだったこと、平等の実現が夢だったことなどを語り、最高裁LGBTアライ(支持者、味方)への感謝のことばを述べたそうです。ハフィントンポストのコメント欄で、この日この場にいたという人が「15分間の力強いスピーチだった」、「歌を聴いて鳥肌が立った」「30年以上プライド・イベントに参加してきてもっともすばらしい瞬間のひとつだった」などと書いていたのがたいへん印象的でした。ひょっとしたらこの歌詞は今後レジェンドとなって歌い継がれていくのかもしれませんね。