米カリフォルニア州で同性婚再開 Prop 8訴訟の原告も結婚(追記あり)

米連邦最高裁の判断を受け、2013年6月28日、カリフォルニア州の控訴裁判所が同性カップルへの結婚証明書発行を許可しました。その1時間後、同州での4年半ぶりの同性婚が、サンフランシスコ市庁舎でとりおこなわれました。結婚したのは、女性同士のカップルのクリス・ペリー(Kris Perry)さんとサンディー・スティアー(Sandy Stier)さん。ふたりとも、同州の同性婚訴訟の原告です。

詳細は以下。


上の動画で式の司会を務めているカマラ・ハリス州司法長官が言ってることをちょっと訳すよ。


4年前、クリスとサンディーはほとんどのカップルが経験しない道へと乗り出しました。提案8号(訳注:カリフォルニア州での同性婚を禁じていた法。Prop 8とも)に反対する訴訟に加わることで、自分たちと同じように結婚の平等を求めて戦う何千組ものカップルを代表することになったのです。喜びと悩みを、そして苦闘と勝利を通じて、ふたりは目標をなしとげました。
Four years ago, Chris and Sandy embarked upon a journey that most couples do not experience. By joining the case against proposition eight, they represented thousands of couples like themselves in their fight for marriage equality. Through the ups and downs, the struggles and the triumphs, they came out victorious.
なおKPCCによるとふたりはまだハネムーンの計画を決めていないようで、週末は家族や友だちとお祝いをする予定だとのこと。何はともあれ、おめでとうございます!

追記

他の原告、 ポール・カタミ(Paul Katami)さんとジェフ・ザリロ(Jeff Zarrillo)さんも6月28日に結婚しています。場所はLA、時刻は午後6時25分。アントニオ・ビヤライゴサ(Antonio Villaraigosa)市長からふたりは法的に結婚したと発表され、ザリロさんは涙を拭いながら「平等とはいいものだ」("Equality feels good.")と語っていたそうです。
結婚式の動画はこちら。

より詳しくは以下を。

ゼネラル・ミルズ社、多様性を祝う「#LuckyToBe」キャンペーンを開始

米大手食品会社ゼネラル・ミルズが、多様な人々のプライドを祝うキャンペーン「#LuckyToBe」を開始しました。かわいくてポジティブなプロモーション動画がすごくいいので、ぜひ見てください。
詳細は以下。

プロモーション動画はこちらです。

これは同社のシリアル「ラッキーチャーム」(Lucky Charms)にひっかけたキャンペーンなんだけど、動画冒頭のこの文句だけで涙が出てきます。


人と違っているというのは、解決すべきことでもなければ、問題でもない。
ラッキーなことなんだ。
Being different is not an issue, or a problem.
It's lucky.

この後テンポ良く続いていくカラフルなメッセージも、すごく心温まるし、勇気づけられますよ。虹というモチーフを使いつつ、「LGBT」とか「ゲイ」とかいう特定の語を使ってないところもいいですね。いわゆるLGBTカテゴリとは違っている人だってたくさんいて、その全員に価値があるということの暗示だと思うんです、これって。

「#LuckyToBe」の公式サイトによると、このキャンペーンに参加するには以下の方法があるみたい。

  1. Twitterで、#LuckyToBeというハッシュタグをつけて「自分がなぜ今月(6月はプライド月間です)ラッキーなのか」をツイートする。
  2. 同じく#LuckyToBeというハッシュタグをつけて、自分の写真や、一緒にいられてラッキーだと思う人の写真を投下する。
  3. Tumblrで#LuckyToBeというハッシュタグをつけて、ゼネラル・ミルズのシリアル「ラッキーチャーム」に入っているレインボーカラーのマシュマロを使った写真を投下する。

ゼネラル・ミルズミネソタ州に本社を置く会社で、雇用差別禁止法(Employment Non-Discrimination Act、性的指向やジェンダー表現を理由とする雇用差別を禁じる法)や同性婚を支持すると表明しています。オレオの一件のときのように、また保守派がボイコット騒ぎを起こしたりするのでしょうが、負けずにがんばってほしいです。

「ニューヨーカー」誌、バートとアーニーのゲイな表紙を発表

米連邦最高裁が結婚防衛法(DOMA)を違憲として同性婚への道を開いたことを受け、米雑誌「ニューヨーカー」がさっそくすばらしい表紙を。主役はセサミストリートのバートとアーニーです。

詳細は以下。

バートとアーニーは公的には「ルームメイト」とされていますが、実はクロゼットなゲイカップルだという説が昔からあるんですよね。そのふたりがDOMAの終わりを知り、ついに一緒になれると喜んでいるという構図なわけです。
この表紙に対し、「実際のゲイカップルの写真を使うべきだった」という批判が出ているようですが、あたしはそれより「クロゼットなゲイの象徴としてバートとアーニーを使うことに意義がある」というニューヨーク・マガジンの意見の方に賛成です。社会が平等に向かって踏み出したということは、クロゼットな人にこそ大きな影響を持つと思いますし。

Facebook、「結婚防衛法(DOMA)」の違憲判決を受け、レインボーの絵文字を採用

2013年6月26日、米連邦最高裁が結婚防衛法(DOMA)を違憲と判断し、米国での同性婚への道を開きました。この歴史的な判決を受け、Facebookが新しい絵文字(エモーティコン)を発表しました。LGBTプライドを示す、レインボーの絵文字なんです。近況アップデートでこれを使えば、自分のプライドを表示できるってわけ。

詳細は以下。

実際の使用例はこんな。(画像出典:BuzzFeed

あたしはFacebookのアカウントを持っていないので今ひとつよくわからないんだけど、BuzzFeedの説明によれば、近況アップデートでエモーティコンのアイコンをクリックして"pride"と打ち込むか、またはスクロールすると、これが出てくるみたいです。
ちなみにこのレインボー絵文字は、LGBT団体GLAADと協力して作られたものだとのこと。Facebookマーク・ザッカーバーグCEOも現在自分のアカウントのステータスを"pride"にして、結婚防衛法(DOMA)の終わりについて以下のように書いているそうです。


我が国が正しい方向に向かっていることを誇りに思います。とてもたくさんの友人たちとその家族にとって良いことであり、嬉しく思っています。
I'm proud that our country is moving in the right direction, and I'm happy for so many of my friends and their families.

YouTube、スペシャル動画でプライド月間を祝う

6月は言わずと知れたLGBTプライド月間です。YouTubeがそれを祝うスペシャル動画を発表しています。タイトルは"Show your pride. Share your love. #ProudToLove"。BGMは、ベタだけどマックルモア&ライアン・ルイスのSame Love Ft. Mary Lambert。カミングアウト動画からプロポーズ動画、ニュース動画まで、これまでうちの日記で紹介したものもたくさん入ってるよ!

提案8号(Prop 8)終結を祝い、ウエストハリウッドでマーチや集会が開かれる

2013年6月26日、米連邦最高裁が、米カリフォルニア州同性婚を禁じる州憲法修正条項「提案8号(Prop 8)」を違憲と判断しました。これを祝し、同日から翌日朝にかけて、ウエストハリウッドで大規模なマーチや集会が開催されました。
詳細は以下。

Prop 8の終わりを祝う皆さんの様子はこちら。

カリフォルニア州では2008年6月に一旦同性婚が認められたものの、同年11月にProp 8が住民投票で可決され、以後同性同士で結婚できない状態が続いていました。同州のブラウン知事は今回の判決を受け、控訴裁での手続きが終了後、すみやかに同性カップルへの結婚証明書発行を再開すると声明を出しています。

マシュー・シェパードの母、同性婚実現の流れにコメント

1998年にヘイトクライムで殺されたゲイ男性マシュー・シェパードさんのお母さん、ジュディー・シェパードさんが、米連邦最高裁が2013年6月26日に同性婚支持の判決を出したことについてコメントしています。

詳細は以下。


「マシューがここにいて、これを見られたらよかったのにと思います」シェパードは「ピープル」誌に語った。「この判決で、あの子の夢はまだかなうのだと思って心が温かくなりました」
'I wish he'd been here to see it,' Shepard said to People magazine. 'This case warms my heart, to think that his dream is still coming true.'


「息子はわたしに、ゲイカップルが結婚を許可されるなんてことがあるだろうかと訊いたんです。彼は同性婚の実現について、あまり楽観的ではありませんでした。『自分たちは決して受け入れられたり理解されたりしない』という考え方にはまり込んでいたんです」とシェパードは述べた。
「わたしは彼に、自分が生きている間には実現しないだろうけれど、おまえが生きている間にはひょっとしたらそうなるかもしれないと話しました。それが実際には逆だったなんて、とても悲しくて――そして、皮肉なことです」
'He asked me if I thought gay couples would ever be allowed to get married and he wasn't at all optimistic it would happen. He was in a mindset of, "people are never going to accept us or understand us",' said Shepard.
'I told him I didn't think I would see it in my lifetime, but he probably would in his. It's so sad – and ironic – that it turned out the other way.'

マシューは1976年12月1日生まれ。生きていれば今36歳です。米国人のFacebook利用者の70パーセントに少なくともひとりはゲイの友だちがいる時代がくることを、彼は知りませんでした。プライムタイムのTV番組にこんなにたくさんLGBTのキャラクタが登場して、しかも好意的に描かれるようになることを、彼は知りませんでした。米国人の半数以上が同性婚に賛成するようになることも、そしてもちろん、最高裁同性婚の権利を支持することも、知りませんでした。生きてさえいれば、これ全部見られたのに。「決して受け入れられたり理解されたりしない」なんて思わなくて済んだのに。

この同性婚訴訟の原告、イーディス(イーディ)・ウィンザーさんが6月26日に出したこちらのコメントを思い出します。


「今日生まれた子供たちは結婚防衛法(訳注:『結婚は男女間だけのもの』とする連邦法。略称はDOMA)のない世界で育ちます。そして、たまたま同性愛者である子供たちは、わたしとシーア(訳注:イーディスさんがカナダで結婚していた同性パートナー)と同じく自由に愛したり結婚したりできるのですが、彼らは他のすべての人と同じように連邦政府からの手当や、保護や、尊厳を得ることができるのです」
“Children born today will grow up in a world without DOMA. And those same children who happen to be gay will be free to love and get married – as Thea and I did – but with the same federal benefits, protections and dignity as everyone else,”
これってものすごく大事なことだと、あたしゃ思うんだよ。