「チューインガムは小鳥を殺す」はデマ

概要

本日Twitterで以下の画像が出回っているのを見かけました。



https://twitter.com/sasaru_tweet/status/448611079568908288より引用)

しかし、少し調べてみたところ、チューインガムが小鳥を殺すというのはデマのようです。Googleで検索しただけで、5分もかからずに、

  1. この写真は車に轢かれて死んだ燕を写したもの
  2. この写真に上記メッセージ(の英語版)を添えたものは少なくとも2009年から出回っており、米TV番組が真偽を検証している
  3. 鳥類の専門家は、鳥がチューインガムを食べて死ぬ可能性は低いと指摘している

ということがわかりました。「自分のゴミには責任を!」という結論だけは正しいのですが、その結論に至る道筋が怪しいということです。

詳細

キーワード"chewing gum kills birds"でGoogle検索すると、以下のような検証サイトが見つかりました。

Can Birds Die From Eating Discarded Gum?

上記サイトによると、これと同じ画像(メッセージは英文)はすくなくとも2009年から出回っていたようです。同年の秋に、米TV局の番組(CBS 21 "Lie or Legit")が、この噂について複数の野生動物公園の鳥類専門家から意見を聞いています。専門家の意見を要約すると、こんな感じ。

  • 人間も鳥も、どんな物でも大きすぎれば気道に詰まる可能性はあるが、ガムそのものが鳥にとって致命的な物質だとは言えない。
  • そもそも、ほとんどの鳥はガムを食べようとはしない。

番組の映像はこちらです。トビアス野生動物公園の方など、「当公園では鳥がガムを食べたために死んだことは1度もありません」("We've never had a bird die from eating gum.")と断言してますな。

また、そもそもこの写真の流出元(2009年6月のブログエントリ)では、これは車に轢かれて死んだ燕を写したものと説明されています。チューインガムとは何の関係もなさそうです。

結論

チューインガムをそこらに捨てるのはそりゃ迷惑な行為ですが、「ガム捨てるな」と言いたいがために嘘の画像をネットに放つのも、モラルの高い行為とは言いがたいかと。この画像を見かけた方は、「自分のゴミには責任を!」というメッセージだけ受け取って、RTはせずに済ませておくのがいいのではないでしょうか。