ロシアでレズビアン雑誌「AGENS」創刊

ロシアで唯一のレズビアン雑誌「AGENS」の創刊準備号が2013年3月に発売されました。部数は999部で、モスクワのナイトクラブなど4箇所と、オンライン販売で買えるとのこと。なお、誌名の「AGENS」は、ラテン語で「推進力」という意味なんだそうです。

詳細は以下。

この雑誌の表紙は、上記リンク先やPinkNewsで見ることができます。ピンク色を基調に写真のコラージュをあしらった表紙デザインは、まるでファッション誌のよう。でも表紙にはちゃんと「女性が好きな女性のための雑誌」と書かれているとのこと。ページ数は120ページで、内容は映画製作や留学、ビジネス、職場でのカミングアウト体験談、男装写真の撮り方など。

「AGENS」は、現在のロシアで唯一の、印刷媒体(それも光沢紙を使った)のレズビアン雑誌だとのこと。Milena Chernyavskaya編集長は、RIA Novostiに対し、この雑誌をロシアのレズビアンたちを助けるライフスタイル・マガジンにしたいと語っています。


LGBTコミュニティは情報の欠如に対処しなければなりません」とChernyavskayaは話した。「ロシアのゲイとレズビアンはお互いのことを知らないし、自分は幸せになんてなれないと思っています。周りの人たち全員から虐待されるからです」と彼女はつけ加えた。
“The LGBT community has to deal with an information blackout,” Chernyavskaya said. “Russian gay men and lesbians don’t know each other and think that they cannot be happy, because everyone around abuses them,” she added.

ロシアでは現在、「同性愛のプロパガンダ」なるものを禁止する法律が導入されようとしているところです。Chernyavskaya編集長は、この雑誌でゲイコミュニティと権威の間の争いをたきつけるつもりはなく、むしろ両者の間の対話を促進したいと考えていると述べています。ちなみに同国の政治家で、同性愛嫌いで有名なVitaly Milonov議員は、「この雑誌を出版することはもちろん可能だが、この不潔なものが未成年の手にわたらないように監視しなければならない」と主張しているそうです。実際の中身を1ページでも見てるんでしょうかね、この人。

なお、これまでロシアでレズビアン雑誌が創刊されたことは二度あって、二度とも五年以上もたずに廃刊になっているのだそうです。三度目の正直でうまく行ってくれるといいんだけど。