同性婚反対派を皮肉る「究極のアンチ同性婚CM」が登場
ハフィントン・ポストが紹介しているコメディ動画「究極のアンチ同性婚CM」に腹抱えて笑いました。同性婚反対派がよく言う、「同性婚を認めたら、伝統的な結婚が破壊される!」「われわれの家庭を同性婚から守れ!」みたいな主張のアホらしさを皮肉る、パンチのきいたジョークCMです。
詳細は以下。
動画はこちらです。
この動画の舞台は、小さな子どもがいる異性愛者夫婦の家。妻がテーブルにお皿を並べているところに、沈痛な面持ちの夫が帰ってくるところから話が始まります。その後の会話をざっと訳してみると、こんな。
妻「おかえりなさい……(夫の顔色に気づき)どうしたの?」
夫「同性婚を法的に認めようとする人たちがいるんだ」
妻、皿を取り落とす。
妻「なんてことなの……!」
夫妻、悲痛な表情でひしと抱き合う。
妻「わたしたちの結婚はどうなるの」
夫「わからない」
妻「わたし、離婚して女の人と結婚したりしたくない……!」
夫「うん、うん」
夫(正義の怒りをこめて)「どうして州はわれわれの文明を破壊しようとするんだ!」
妻「わたし、怖い……」
テディベアを抱いた女の子が現れる。
子「ママ、パパ、もし同性愛者が結婚できるようになっても、まだわたしを愛してる?」
夫妻、不安そうに目を見交わし、自信なさげにうつむく。やがて男は子どもの前にしゃがみこんで、肩に手をかける。
夫(真剣に)「同性婚が実現しないように祈ろう」
わははははははは。これって日本の夫婦別姓問題にも似てますよね。「夫婦別姓を認めたら伝統的家庭が破壊される」「家族の絆がなくなる」と主張する方の家庭も、きっとこのCMそっくりなのでしょう。つまり、別姓が選択できるようになったとたんになぜかいきなり離婚しなければならなくなったり、どういうわけだか子どもへの愛情が一気に冷めたりしてしまうわけですね。ああお気の毒に(棒読み)。
この動画を見ていたら、シンシア・ニクソンが2009年におこなったスピーチの、このくだりを思い出しちゃいました。
「同性婚合法化への主な反対意見で、『同性婚は伝統的な結婚を永遠に改竄し、台無しにしてしまう』っていうのを聞くけど、知りたいことがひとつあるの。どうやって? 私と私のガールフレンドの結婚が、家で座ってるあなたとあなたの奥さんに、もしくはあなたとあなたの夫に、どうやって影響を及ぼすわけ? あと、同性婚の合法化は伝統的な結婚への攻撃だっていう意見も聞くけど、攻撃を受けてるのはあなたたちじゃなくて私たちの方だって言いたいわ。“Now the main argument I hear against legalizing same-sex marriage is that in some way this will forever alter and mar traditional marriage, and what I want to know is: How? How will my girlfriend and I getting married have any affect on you and your wife, or you and your husband sitting at home? I also hear that the right to legal same-sex marriage is seen as an attack on traditional marriage, and I want to say that you are not the ones being attacked, we are.
「伝統の危機」とか「家庭を守れ」とかいうかけ声は、危機感を煽って賛同者を増やすのには便利なのかもしれません。でも、因果関係がないものをあたかもあるように言いつのるのは詭弁か、百歩譲って呪術思考です。だまされちゃかん。いや、脳みそがある人は、だまされないと思うけど。