「わたしがスーパーマンを書きましょう」 『スタートレック』のゲイ脚本家、炎上中のDCコミックに提案

「米国の書店、アンチゲイな作者によるスーパーマン漫画をボイコット - みやきち日記」の続報です。スーパーマンの漫画にホモフォビックな作家を起用して炎上した漫画出版社に対し、『スタートレック』などを手がけたゲイの脚本家が、「自分がスーパーマンの話を書く」と申し出たそうです。

詳細は以下。

ことの起こりは、米国の漫画出版社DCコミックが、5月に出る『スーパーマンの冒険』のお話を、ホモフォビアで有名なSF作家に書かせたことにあります。この作家オーソン・スコット・カード氏はアンチゲイ団体「National Organization of Marriage」の役員であるばかりか、ゲイやレズビアンは性的虐待のせいで同性愛に走っただの、同性愛者は性的指向を変えられるはずなのにわざわざ同性愛を選んでいるだのという発言でも知られています。

おかげで一部書店からは『スーパーマンの冒険』のボイコットが起こり、カード氏をやめさせるようDCコミックに求めるオンライン署名でも、2月20日現在で14000人以上もの署名が集まるという事態になりました。

この状況を見て、「自分がスーパーマンを書きましょう」と申し出たのが、カミングアウト済みのゲイでベテラン脚本家のデイビッド・ジェロルド氏。以下、氏のフェイスブックから引用します。


親愛なるDCコミック編集者諸氏へ

あなたがたが、スーパーマンのために、LGBTの人々の平等な権利に強固に反対することを書いている作家を雇ったと知りました。それに反対するオンライン署名があることも知りました。

ひょっとしたら、これから出るスーパーマンものの草案を書かせるのに、ゲイであることを公言しているライターを雇えば、バランスがとれるかもしれません。

しかるによって、わたしが進んでそれをやりましょう。
Dear DC Comics Editors,
I see that you have hired a writer for Superman who has written strongly of his opposition to equal rights for LGBT people. And I see that there is an online petition protesting that move.
Perhaps you could balance that decision by hiring an openly gay writer to draft a Superman story for a future issue.
I hereby volunteer.


このシリーズでうまく使えそうな、とてもいいアイディアがいくつかあります。あなたがたのために、史上最高のスーパーマンの物語を書く機会がいただけたらと思います。
I have some very good ideas that I think would work well for the series. I'd like the opportunity to write for you the very best Superman story ever.

ジェロルドさんはこれまで『スタートレック』の脚本およびノベライゼーションほか、『トワイライトゾーン』、『マーシャル博士の恐竜ランド』などを手がけており、漫画のお仕事もいくつかされています。長篇SF小説『H・A・R・L・I・E』では、ネビュラ賞にもノミネートされました。さて、この申し出に、DCコミックははたしてどう答えるんでしょうか。意地でもオーソン・スコット・カード氏にストーリーを書かせ続けて、「悪の同性愛者をこらしめる正義のスーパーマン」ものでもやるつもりかしら。あれだけゲイゲイしいアメコミというジャンルで、そこまでホモフォビックな人を雇う方がおかしいと、あたしは思うんですけどね。