映画『ドリームガールズ』感想

ドリームガールズ:デラックス・エディション(DVD付)ドリームガールズ:デラックス・エディション(DVD付)
サントラ マキシ・アンダーソン シャーリン・カーモン

ソニーミュージックエンタテインメント 2007-01-31
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ああああああすごかった! 本当に本当にすごかった! 観に行ってよかった!
何がすごかったって、エフィー役のジェニファー・ハドソンですよ。彼女の歌う"AND I AM TELLING YOU I'M NOT GOING"ですよ。鳥肌立ったわよあのシーン。もっと正確に言うと、映画冒頭の"MOVE"で観客はもうあの声のとりこにされちゃうんですけどね。あれで新人だなんて、アメリカは恐ろしい国だわ。日本でライブやってくれないかなー。いや、いっそ、この人が主役のミュージカルを舞台で観たいなー。

この映画を観るまで、実はあたしの『ドリームガールズ』に関する知識と言ったら、「ジェニファー・ホリデイのなんか異様にパンチのききまくったラブソング(実はそれが"AND I'M TELLING YOU I'M NOT GOING"なんですけど)の入ってるミュージカル」程度のものでした。ジェニファー・ホリデイ版のこの曲自体も、最初に触れたのはドラァグクイーンのショウでだったので、聞くたびにあのすげー歌詞とドラァグのお姉さま(または、おネエさま)の熱演だけが脳裏に甦ってきてしまい、「いったいこれは本来ならどういうシチュエーションでどういう人が歌う歌なのかしら」と謎に思っていたのよ。日本のラブソングじゃ振られ女は寒さこらえて陰陰滅滅とセーター編んでるのに、こちらはもう相手の男を取って食いそうな勢いで「絶対絶対絶対アンタの元を離れないわ!!」と叫びまくってるんだもん。今回ようやくどんなシーンの曲なのかわかって、とても満足です。

ただひとつ残念なのは、映画版だとお話がエフィー(映画ではジェニファー・ハドソンが、舞台ではジェニファー・ホリデイが演じた役)主役でないこと。そのせいもあってか、映画版(=ハドソン版)の"AND I'M 〜"は舞台版(=ホリデイ版)の血を吐くような熱唱とは違って、もう少し静かな情感を込めた歌い方になっています。それはそれで素敵なんだけど、せっかくのこの歌唱力なんだから、エフィーをどーんとお話の軸に据えてほしかったなあ。いや、「ビヨンセを主役にした方が興行成績が上がる」っていう戦略はわからんでもないけどさー。

でもビヨンセビヨンセで熱演していてよかった*1し、エディ・マーフィーも超かっこよかったので、全体としては満足です。DVDが発売されるまで、映画館でゲットしたサントラ(デラックス・エディション)を繰り返し聴いて楽しもうと思っています。DVDが出たら、振り付けまで覚えて歌って踊るよ、あたしゃ。

*1:デビュー前の初々しいティーンエイジャーの娘さん姿から、ダイアナ・ロスそのものの売れっ子姿まできちんと演じ分けられていてよかったです。ただ、ダイアナ・ロス風のメイクをしたビヨンセって、時々オセロ中島に見えちゃって困りましたが。