どこまで下りていって説明するかということ

下のトレーニング関係のエントリには、専門用語がいくつか登場します。「パーシャルレップス」「ハイレップス」「短インターバル法」「肘をロックさせる」などです。「ショーン・レイ」のような固有名詞も登場してます。そしてこれらの用語のどれもが、トレーニングオタク(またはボディビルおたく)でなければあまりなじみのないものでしょう。
けれどあたしはわざと、それらの用語のどれにも詳しい説明はつけていません。門外漢にわかりやすく説明しようとしたらゆうに分厚い本一冊ぐらいの内容になってしまうし、そんなことをしていたらBLNDは「初心者向け筋トレサイト」になってしまう。それはあたしの本意ではないし、ビューワー様の期待していることでもないはず。だから、筋トレ関連の話につては、「わからない人は、勝手に勉強して知識を身につけてね」という方針を貫いているわけです。
逆に、サイトの趣旨に沿ったレズネタの文章では、とにかくわかりやすく書くことを心がけています。うちのサイトの想定対象層はごく大雑把に言うと「レズビアンに対して、あるいは同性愛に対してある程度の興味がある人」なので、さすがに「レズビアンとは何か」というところまで下りていって説明したりはしませんが、それでも自分なりに説明のしかたを工夫して噛み砕いて書いてはいるつもりです。そこはやっぱり、一番わかってほしいところだから。
このように、文章を書くときにどこまで下りていって説明するかというのは、その文章の目的や対象層によってずいぶん違ってくるものだと思います。ネットで誰でも文章を発表できるようになった今、「わかりやすい文章の書き方」的なものがあちこちで発表されて人気を博しているようですが、その反面、「難解な文章の書き手は頭が悪い」みたいに決め付ける風潮もあるみたいです。だけど、そう決め付けて批判する前に、その文章の目的と対象層がどのへんにあるのかを考えた方がいいと思うんですよ。理解できないのは単に自分が門外漢で基礎知識に欠けるからかも知れないし、書き手にはすべての読み手に常に初歩の初歩から基礎教育をする義務なんてないのですから。
つーかね、なんか、たとえ話で言うと、「二桁の足し算引き算もできないような輩が『二次方程式の解き方』を読んで、『こんな難解な文章を書くやつなんて、自分でもわかっていないに違いない。本当の頭の良さとは……』ととうとうと語ってる」ようなケースを結構見かけるんだよね、特にブロガーさんの間で。そうじゃないでしょー、と思うんだよね。そのへんがブログ始めて論客気取りのお子様の限界なのかな、とも思うんですけども。
以上、「わからせる」ということでメシを食っている塾講師のあたしが最近なんとなく思っていることでした。なんかうまくまとまってないな。この項は後日また改めて書き直すかもしれません*1

*1:2月9日に一部リライトしました。