自転車(46km、1001kcal)/蛇行ママチャリと「視線の釘付け現象」

昨日のルートを少し短くして、46km走行。

途中、細めの生活道路で、ママチャリおばちゃんが右に左に2メートル幅ぐらいでゆっくり蛇行しながら走ってました。しばらく後ろについて走った後、おばちゃんが右にフラーッと流れ始めたタイミングで「すみませーん、左側から追い抜きます」と声をかけて道の左端をゆっくり直進。
するとおばちゃん、「え? え?」と言いながらこっちを見たかと思ったら、わざわざ向きを左に変え、あたしのバイクめがけて一直線に突っ込んでくるではありませんか。殺す気か。予想外の展開に、反射的に「うわっ、ちょっと! 危ない!」とかなんとか叫びながらフルブレーキするのが精一杯でした。どうにか接触を避け、ビンディングを外して足をついた段階ではたと思い当たったことがひとつ。
これ、オートバイ乗りがよく言う「視線の釘付け現象」だわ。

オートバイでコーナーを曲がるときは、視線をコーナーの出口に向けるのが鉄則です。間違っても「あのガードレールにぶつかるかも」などと途中の障害物を注視してはいけません。一種の「予言の自己成就」で、無意識のうちにそっちに向かって突き進んでしまうからです。これが「視線の釘付け現象」というやつで、どんなに怖くても障害物から視線を引きはがし、無理にでもコーナーの出口を見るようにしないと、自爆コースが待っています。

自転車でも同じことが起こります。子ども用チャリに乗れるようになったばかりの幼き日、「うわあああ電柱にぶつかるううう」と頭ではわかっていながら、なぜか避けもせずまっすぐ突っ込んでしまったなんてこと、ありませんか? あれですよあれ。問題は、ママチャリ乗りのうち、この「視線の釘付け現象」に気づいている人はかなり少なそうだということ。オートバイ乗りのような、「無理にでも視線を切って安全な方に進む」という行動は、おそらく期待しない方がいいでしょう。相当後ろから声をかけ、こちらの自転車に視線クギ付けで突進して来られても逃げられるよう準備しとかなきゃダメだわ。

あともうひとつ思ったのが、ママチャリの蛇行は道路の傾斜にも関係するのではないかということ。この一件が起こった生活道路は、ごくゆるやかな上り坂です。ロードバイクなら軽いギヤを使えば平地とまったく同じ感覚で走れるぐらいの坂ですが、よく見るとママチャリだと男子高校生でさえ時速10kmぐらいで(かなり遅いってことです)走ってました。車体が重く、ギヤも貧弱(またはギヤ自体がついてない)なママチャリではちょっとした上り坂でも負担が大きく、だから筋力のない人だとつい蛇行してしまうのかもしれません。

というわけで、本日のまとめ。

  1. ゆるい上り坂のママチャリに注意。蛇行したくなくても、筋力の都合で蛇行しちゃう人もいる。
  2. 蛇行ママチャリを追い抜くときは、「視線の釘付け現象」を想定に入れ、かなり遠くの距離から声をかけること。フルブレーキの準備もしておくこと。