米国ワシントン州知事が同性婚法にサイン


2012年2月13日、米国ワシントン州のクリスティーン・グレゴア知事が、同州での同性婚を認める法案にサインしました。
詳細は以下。


「これは正しいステップです。私たちはついに、結婚における平等にイエスと言ったのです」州都オリンピアで月曜におこなわれた熱狂的なセレモニーで、グレゴアは語った。「(同性婚なんか認めたら)世の破滅だという物言いは、ぜったいにまちがっています」
“It is the right step. We have finally said yes to marriage equality,” Gregoire said during an exuberant Monday ceremony at the state capitol in Olympia. “The sky-will-fall rhetoric is simply not true. “

反対派が住民投票に必要なだけの署名を集めない限り、この法律は2012年6月7日に発効する予定だとのこと。もしこの法律が発効すれば、ワシントンは米国の同性婚可能な7番目の州となります(他に、コロンビア自治区同性婚を認めています)。ちなみに住民投票を成立させるには、6月6日までに120577人の署名を集める必要があるのだそうです。住民投票同性婚が不可とされた場合、カリフォルニア州と同様、裁判となる可能性があります。

58%もの人々が「宇宙の始まりはビッグバンではなく神の創造」と答える米国で、法案が両院通過して知事のサインを得るところまで漕ぎ着けるというのはすごいことだと思うんです。この後カリフォルニア州のように長い法的闘争が待っているのかもしれませんが、この法律にはなんとか生き延びてほしいと思います。

グレゴア知事は13日、ワシントン市民に以下のように呼びかけたとのこと。


「すべてのワシントン市民に、自分の胸によく尋ねてほしいです。今や私たちの州が……強い家族を支え、ワシントン州をもっと強くするべき時ではありませんか?」
“I ask all Washingtonians to look into your hearts and ask yourself, isn’t it time for our state … to support strong families and make Washington state stronger?”

ここで「強い家族」という表現が出てくるところが面白いと思いました。これは要するに、不平等な法制度のために同性カップルの家族がバラバラにされてしまうのを食い止めようという意味だと思うんですが、日本だと、「強い家族」と言ったら「シスヘテロの男女+血のつながった子どもでつくる、全員同姓の家族」としか認識しない人が多いんじゃないかしら。で、「それ以外を認めたら、日本の家族が弱体化する!」とか言われちゃいそうな気がします。

米国人の多くが神の創造を信じている一方で、日本には「家族教」または「戸籍教」みたいな宗教がはびこっていると思うんですよ。シスヘテロ男女が「籍」を入れて必ず夫婦で同じ姓を名乗り、必ず血のつながった子どもをつくり、必ず男がオンナコドモを支配するのだ、それこそが強くて正しい家族なのだ、みたいな。だからこそ「夫婦別姓を認めたら/DVを禁止したら/婚外子の権利を認めたら日本の家庭は崩壊する」みたいなイカレポンチな言説も出てくるんじゃないかしら。あれって結局、「『家族教』の教義に反することをしたら天罰が下る!」という、狂信者のおたけびだと思うんですよ。

家族教には聖書も教会もミサもないから実態が見えにくく、その分やっかいだと思います。日本で同性婚を実現させるとしたら、まずこのカルト宗教をどうするかが大きな課題になるんでしょうね。