オーストラリアのメーカー、「トランスフォビックな」タンポンCMを中止

オーストラリアの生理用品メーカー「リブラ」が、トランスフォビックだとして批判されていたCMの放送を中止したそうです。詳細は以下。

問題のCMはこちらです。

このCMの内容は、ナイトクラブの鏡の前で隣の女性と張り合うように化粧直しをしていたドラァグクイーンが、女性がタンポンを取り出したとたん「負けた」とばかりに去って行くというもの。これが「生理がなければ女性ではない」という意を含んでいるとして、トランスの権利団体「Agender NZ」などから抗議の声が上がっていました。

PinkNews.co.ukによると、2012年1月3日、リブラは以下のような声明を出したとのこと。


「当社の最近のタンポンの広告が引き起こしたいかなる不快に対しても遺憾に思っております。あの広告は、決してどのような方も悲しませたり傷つけたりするよう意図されてはおりませんでした。

「独自調査では、この広告はテスト中、肯定的に視聴されておりました。

「リブラはあらゆるご意見を真摯に受け止めます。また、ご意見にお応えするため、いただいたフィードバックにもとづいてこのキャンペーンにおける当社のこれからのあり方をただちに検討いたします。ニュージーランドではこれ以上の広告予定はありません。

「この広告はオーストラリアでは放映されておりません。Facebookに置いてあったものも撤去いたしました」

“Libra regrets any offence taken to our recent tampon advertisement. It was never intended to upset or offend anyone.

“Independent research was undertaken and the advertisement was viewed positively during that testing.

“Libra takes all feedback very seriously, and in response to this, we will immediately review our future position with this campaign based on the feedback received. There are no further advertisements scheduled in New Zealand.
“The advertisement has not aired in Australia. The advertisement was placed on Facebook however this has also been removed.”

このCMをどう解釈するかについて、リブラのFacebookではいまだに大量のコメントが書き込まれており、twitterでも「#transphobictampons」というハッシュタグで意見が交わされています。

また、オンライン署名サイトのChange.orgには、この広告の撤去と公式謝罪を呼びかけるページと、逆にこの広告は続けるべきだと呼びかけるページの両方が作られています。日本時間で2012年1月4日午後6時現在、前者が1811名、後者が222名の署名を獲得していました。

結局のところ、あたし個人はこのCMはドラァグクイーンとおぼしきキャラのキャスティング(または演出)がまずかったんじゃないかと考えています。もっとコッテコテの、どこから見てもドラァグでしかないキャラにすればよかったんじゃないかしら。ドラァグなのかトランスジェンダーなのかで解釈が割れ得るようなタイプではなくて。

実際にはこのCMのドラァグ役はオーストラリアのドラァグクイーンが演じているんだそうですが、世界中の誰もが彼を知っているわけではありませんものね。そのあたり、もう少し配慮や工夫があってもよかったのではと思います。