SONYポータブルナビゲーション “nav-u”「ナブ・ユー」NV-U37レビュー

SONY パーソナルナビゲーションシステム U37 ホワイト NV-U37/WSONY パーソナルナビゲーションシステム U37 ホワイト NV-U37/W

ソニー 2011-06-25
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NV-U37が届きました!

自転車で使える(いえ、車でもオートバイでも徒歩でも使えるんですが)SONYのポータブルナビNV-U37を昨日入手。これで遠乗り先の「まんが日本昔ばなし」みたいな山の中で迷いまくって困惑する日々とはおさらばよ!
あらかじめ買ってあった自転車用クレードルでハンドルに装着して近場を走り回り、さらにいろいろいじり倒してみたので、「現時点での感想はこうだ」というのを書いてみます。

デザイン

あたしが買ったのは白ですが、真っ白ではなく、もう少し落ち着いた白+ベージュがかった薄いグレーのツートンカラーでした。質感は正直言って安っぽく、これなら同じSONYでもPSPの方がよっぽど高級感にあふれていると思います。とは言え、ポケットに入れて気軽に持ち歩けそうなシンプルさとコンパクトさは好印象です。

起動速度

カーナビ上位機にはさすがに負けますが、EZナビウォークより圧倒的に速いです。この速さを知ってしまったら、もう携帯でのナビには戻れません。

操作性

タッチパネルはフルフィンガーグローブ(モンベル ステンレスメッシュサイクルグローブを使用)ごしでも問題なく反応してくれました。ジェスチャ操作(自宅へのルート探索などが一瞬でできる)もグローブをつけたまま行うことができ、たいへん快適です。
ただし、地図画面をドラッグでスクロールさせようとすると、素手でやってもかなりガクガクした動きになってしまいます。ピンチイン・ピンチアウトもできないため、拡大縮小は+ボタンと−ボタンで段階的に行うしかなく、この挙動もぎくしゃくしていて見づらいです。そんなわけで、手動でドラッグ&拡大縮小しながらルートの細部を確認しようとすると、ルート自体をあっさり見失ってしまうこともしばしば。iPad2Googleマップを動かすときのあの簡単さ・滑らかさとは雲泥の差だと思って下さい。
まとめると、

  • 目的地を入力したりルートを探索したりする作業は、グローブ越しでも楽に行える
  • でも、地図としてスクロールさせて使うのは、何をどうやってもストレスフル

となります。ナビとして割り切ったつくりと言えば言えますが、走り出す前にスクロールでさっと全ルートを確認するということができないのはすごく残念。次のモデルで改善してほしいところです。

ナビ性能

ルート探索はじゅうぶん速いと思います。ルート自体も今のところ特に大きな問題はなし。これまで知らなかった早道がわかったりして、楽しく走れました。探索条件「トレーニング」で、変に大回りさせてまで坂道を入れたりしないわりに、自転車乗りに人気のある峠道をうまくルートに組み込んでくれていた(偶然かもしれませんが)ところもポイント高いです。
ただ、「なぜここで?」というところでやたらと細い路地に案内されたりするところが気になると言えば言えます。自転車ならではのルートを意識してのことかもしれませんが、「楽ラク」で探索しているのに上り坂の続く裏道を指示された(他にもっとゆるやかなルートもあるのに)りしたのはちょっと不可解。また、細かい生活道路では右左折のタイミングがわかりづらいときがあり、実際それで一回ちょっとだけ迷子になりました。ただしリルートも速いので、少しぐらい曲がるところを間違えても大丈夫ではあるんですが。
音量は特に問題なし。風切り音や車の走行音のために細かい指示が聞き取りづらいときもあることはありますが、「700メートル先、右折です」のような肝心の部分は、音量「大」でほぼ間違いなく聞き取れました。

画面表示

今日の走行は省電力モード「スタミナ(画面オン)」で行いました。取扱説明書によるとこれは、


操作していないときに画面のバックライトを最も暗い状態にします。明るい屋外では表示を見ることができます。ルートガイド時に案内ポイントに近づくと、画面を表示して案内します。
というもの。このモードでの使用可能時間は、約9時間とのことです。
取説では「明るい屋外では」と控えめな表現がされていますが、実際には、

  • 夏の曇りがちの夕方6時過ぎで、
  • オークリーのブラックイリジウム可視光線透過率10%)レンズ越し

という条件にもかかわらず、バックライトが暗い状態でもちゃんと画面の文字が読み取れました。室内でもフツーに読めますね。これで9時間ももつのなら、ありがたい限りです。
画面に表示される情報のうち特に便利だったのは、勾配(%)と、その勾配の程度が続く距離です。つまり、「6%勾配の上り坂が、ここからあと217メートル続く」なんてことが、画面を見ただけでわかるわけ。標高グラフと合わせて具体的な見通しをつけながら走ることができ、貧脚初心者としては大いに助かりました。

この機能はいらないのでは?

  • 「ガイドブック」は検索機能がプアすぎてほとんど使い物になりません。Googleか紙のガイドブックを使った方が早いのでは。
  • このナビに写真や動画を入れて使いたい人っているんでしょうか。そういうものを持ち歩きたいなら、ケータイやiPodの方がよっぽど便利じゃない? 

この機能は便利でした

「最寄検索」内の「ジャンル検索」は、自転車でのちょっとしたお出かけに重宝しそうです。「今日はラーメンを食べたいけど、カロリーが気になるから軽く20kmぐらい走りたいな」なんてときに「ラーメン」で検索すれば、現在地(または地図の中心)から近い順で店舗がリストアップされるので、あとは10km離れた場所のお店を選んでルート探索するだけでOK。知らない店も開拓できて一石二鳥。これから夏本番なので、あたしはこの機能を使ってちょっと遠めのアイスクリーム屋(というジャンルが本当にあるんです)でも回ってみようかと思ってます。
もちろんこの機能を使えばロングツーリング中に最寄の自転車屋さんやコンビニ、宿泊先なんかを探すこともできますし、徒歩での移動中にトイレを探すなんてことも可能です。ていうか、それが本筋ですよね。オートバイで日本中走り回っていた頃にこれがあったらなあ。

ここまでの暫定まとめ

  1. 所有欲を満たしてくれるほどの質感の高さはないし、
  2. スクロールと拡大縮小は信じられないぐらい使いづらいけど、
  3. ナビとしての機能は必要にして十分

というのが、現時点でのあたしの感想です。これを買ったことで、ポタリングからロングツーリングまで、やれることの幅が広がりそう。何より、「自転車が楽しすぎて夢中で走っていて気がつけば市外、いや県外、いったいここはどこ!?」なんてときにまっすぐ家まで帰って来られるという安心感は捨てがたいです。しばらくいろいろ使ってみて、また気がついたことがあったら日記で報告しようと思います。