『CANAAN(2)』(石田あきら、角川書店)感想

CANAAN (2) (角川コミックス・エース 264-2)CANAAN (2) (角川コミックス・エース 264-2)
石田 あきら

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-07-26
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マリアのキャラ立てが弱いような。

ゲームソフト『428 〜封鎖された渋谷で〜』のボーナスシナリオを元とするアニメのコミカライゼーション、第2巻。今回はカナンとアルファルドの戦いや、マリアとユンユンの出会いが描かれます。

一読してもっともひっかかったのは、マリアのキャラ立てが弱いところ。登場シーンは多いのに、彼女の覚悟やカメラマンとしての腕前が少しも伝わって来ないんです。これでは先日レビューした『失楽園(4)』のソラ同様の、「キメ顔で綺麗事を言うだけでなぜか万事うまく行く」という薄っぺらいキャラにしか見えません。ユンユンの信頼を得るための行動も、ただの自傷ばっちこいのメンヘル少女にしか見えず、興ざめでした。「勇気」と「浅慮」は別物のはずなのに、このキャラの描写ではどうもそれが混同されているような気がします。

百合かどうかについてはまだ保留。カナンとマリアの友情が重視されていることは確かなので、今後も読んでみる予定です。