同性愛への姿勢 日本では年齢・ジェンダーで差異が

米国の世論調査期間ピュー・リサーチ・センターが、世界39ヶ国の約3万8千人を対象に同性愛についての受け止め方を調べた結果を発表しています。地域や国ごとの比較、宗教との関連などの他に、ジェンダーや年齢による違いも示されており、それによると日本は年齢やジェンダーによってずいぶん差異があるみたい。

詳細は以下。


[ワシントン 4日 ロイター] - 米ピュー・リサーチ・センターが4日発表した調査結果によると、同性愛に対しては欧州や米国、カナダ、中南米では寛容の度合いが増している一方、アフリカや中東では反感が根強いことが分かった。

ちなみにアジア太平洋地域は概して同性愛をネガティブ視する国が多く、「同性愛は社会から受け入れられるべき」と答えた人が半数以上いた国は3ヶ国のみ。上からオーストラリア(79%)、フィリピン(73%)、そして日本(54%)です。なお韓国は39%、中国は21%で、地域内最下位はパキスタンの2%。

日本国内での内訳をみると、まず年齢による差異が大きかったようです。


日本では、同性愛を支持するとの回答は全体では54%だが、30歳未満では83%、50歳以上では約40%と、年齢による開きが顕著となっている。

ちなみに日本の30〜49歳では、同性愛を支持すると答えた人は71%でした。してみると、日本のアンチゲイな皆さまは、圧倒的に50歳以上に多いわけですね。

なお、ロイターの日本語ニュースでは言及されていませんが、ピューの英文記事では日本におけるジェンダー・ギャップも指摘されています。それによると日本では女性の61%が同性愛を支持すると回答したのに対し、男性では47%だったのだそうです。他に似たような傾向を示している国は、ベネズエラ(女性59%、男性44%)やギリシャ(女性59%、男性47%)、イスラエル(女性48%、男性31%)など。これは別に全世界的な傾向ではなく、「調査した国のほとんどでは、同性愛に対する考え方に有意の男女差はなかった」とピュー・リサーチ・センターは報告しています。

個人的にはジェンダー差までは予想がついたんですけど、年齢によるちがいがこれほどあるとは思いませんでした。特に49歳以下、思ったよりずっと支持率高いわー。ネットを見ているとどうしてもヘイトフルなコメントばかり目についてしまい、「日本なんてこんなもの」と落ち込みそうになりますが、今後は一歩引いて「いや、この人は50代以上のおっさんなのかも」と考えてみようかと思います。

漫画家の西原理恵子さんが、『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』(文藝春秋)の中で、「年寄りにいくら教育しても差別意識とかいろんなことは直らない。その代わり、子供たちに新しい価値観を教えてあげることはできるでしょ」と書いてる(位置No. 753/2177)んですが、あたしはこれにおおむね同意なんですよ。年寄りの意識がそう簡単に変わるものなら、嫁いびりや婿いびりはとっくになくなってるはずだし、「甘え」だの「かわいそう」だのという謎理由でアレルゲンを喰わされて苦しむ子供もいないよ。そんなわけで、今後は次世代の方により期待をかけてメッセージを発信していくのがいいのかもな、と、この調査結果を見て思ったりしました。