法の壁と戦う国際同性カップルを描くショートフィルムが話題に

米国の結婚防衛法(DOMA、結婚は男女間のみのものと規定する連邦法)と戦う、国籍のちがう同性カップルたちの姿を描くドキュメンタリーが話題になっています。美しくて、ラブラブで、それでいてシリアスなテーマをつきつけてくるトレイラーは必見です。

この作品のタイトルは、『Love Stories: Binational Couples on the Front Lines Against DOMA』(『ラブストーリーズ: 最前線でDOMAと戦う国際カップルたち』)といいます。ロサンゼルスを拠点とする映画制作者ブリン・ゲルバードさんが撮ったものです。
上に貼ったトレイラーでは、国籍のちがうさまざまなカップルたちの微笑ましい日常風景とともに、同性婚が認められないために一緒に暮らせなかったり、あるいは今一緒にいられてもこの先どうなるかわからないという現状が描かれていきます。あたしがいちばん心動かされたのは、2:17ぐらいに登場する、おばあちゃん同士のカップルのエピソード。ドイツ生まれの丸っこいかわいいおばあちゃんが、離れて暮らす息子さんの写真を指さしながら、「息子の結婚式に出るためにスコットランドに行きたいけれど、もし米国を出たら、もう2度と入国できないかもしれない」と話しているんです。

同性婚反対派の人は、同性婚は「家族」を破壊するってよく言うよね。本当に破壊してるのは誰なのよ。このおばあちゃんと息子を引き裂いてるのは誰なのよ。「自分がそれを選んだんだからしょうがない」とか言うなよ、異性同士ならパートナーと結婚して居住権を得ることができて、自由に入出国できるんだからね。

あと、同性同士だというだけでいきなり「子どもを作らない同性カップル国益にならないから結婚させなくていい」論をおっぱじめる皆さま(絶対いると思う)、お願いだからトレイラーを全部見て。子どもがいる人も何組も出てくるでしょう? もっと現実を見て、この家族たちに現実にふりかかっていることについて考えてよ。

このショートフィルムは一連のシリーズになっており、国際カップルの同性婚の権利を訴えるThe DOMA Projectの一環としてつくられています。YouTubeThe DOMA Projectのチャンネルでは、トレイラーに出てきたカップルたちをそれぞれ個別に撮った作品が公開されていますよ。参考までに、いくつか貼っておきます。