ジレットが「ゲイ」という語を含むコメントをFacebookから削除

大手剃刀メーカーのジレットが、Facebookの自社ページで、「ゲイ」という語を含むコメントを削除している疑いが持たれています。

詳細は以下。

ことのおこりは2013年2月20日ジレットUKのページに、こんな記事が投下されたこと。


エイドリアン・ブロディいわく、「男の決断のほとんどは、女の影響を受けている」。あなたは賛成しますか?
"Girls affect most decisions a man makes": Adrien Brody on style. Do you agree?

これに対し、何人かの人が「ゲイの人なら違う」とコメントをつけたのですが、それらのコメントは数秒以内に消えてしまったのだそうです。一方、「ゲイ」という語が含まれないコメントは消されないまま。

PinkNewsがためしに正午直前に「ゲイの人なら違う」と書き込んでみたところ、やはりそのコメントも消されてしまったそうです。

元記事のコメント欄にも、テスト投下をしてみたという人が複数います。「ゲイの人なら違う」と書き込んだら1分以内に消されたという人がふたり。「ホモセクシュアルの人なら違う」と投下したら消されなかったという報告もあります。

この日の午後になってジレットの広報が発表したところによると、「攻撃的で軽蔑的な意味を持ちうることばを使ったコメント以外は削除していない」「問題のコメントや、テストとして投下されたコメントの記録は見つからない」んだそうですよ。へー(棒読み)。

ひょっとして、ジレットは、「ゲイ」を攻撃的で軽蔑的な語だとみなしている一方、「ホモセクシュアル」はOKだと考えているってこと? だとしたら、それって現代の英語圏の感覚とはえらく違ってませんか。同性愛を病気扱いするのにも使われてきた医学用語の「ホモセクシュアル」より、「ゲイ」の方が政治的に中立的なことばでしょ、今なら。

なおFacebookは2月21日、PinkNewsに対し、コメントを消したのはFacebookではないと話しているそうです。ということは、これはやっぱり元記事コメント欄にもある通り、ジレットがあらかじめFacebookキーワード禁止語句リストに「ゲイ」という語を登録してたんじゃないですかね。だから「ゲイ」を含むコメントは即消されて、「ホモセクシュアル」だと残ってたんじゃないかと。

ちなみに日本時間で2月23日現在、このポストのコメント欄はカオスになってます。コメント欄では、ジレットUKのアカウントが「当社のブロックリストに『ゲイ』という語は含まれていません」と主張しており、現時点では「ゲイの人なら違う」というコメントはひとつだけ生き残っています。他に、「ジレットはアンチゲイなのか?」という批判意見がひとつ。gayというスペル自体がはじかれているかどうか見るためなのか、それとも冗談まじりなのか(たぶん両方だと思うけど)「IXNAY ON THE AYGAY?(ゲイの坊やにはノーなの?)」「Not if you live in Harringay(ハリンゲイに住んでいる人なら違う)」と書いている人がそれぞれひとりずつ。「ゲイ」という単語を使わずに「ぼくの彼氏はその意見に反対だ」と書いている人がふたり。みんな、たくましいなー。

だいたい、元ポストの引用文自体が「男とは異性愛者男性のことである」という言外の意を含んでいて、それだけでも違和感を感じる人は少なくないと思うんですよね。ジレットの真意がどうあれ、剃刀やシェービング剤を買うのは異性愛者だけじゃないわけですから、そのへんもう少し気を遣ってもよかったんじゃないかとあたしは思います。