ウガンダで初のプライド・イベント開催


2012年8月4日から5日にかけて、同性愛が違法とされるウガンダで初のLGBTプライド・イベントが開催されました。警察に逮捕された参加者も出ましたが、全員不起訴で釈放されたとのことです。
詳細は以下。

ウガンダでは同性愛は最高で終身刑となる違法行為です。終身刑どころか死刑にしろという法案が提出されたりもしています。そうした状況をはね返すかのように、ヴィクトリア湖畔の会場では、パレードや映画上映、スピーチ、パーティーなどが決行されました。参加者の中にはLGBTフレンドリーな写真屋でドレス姿で撮った写真を持ってきたトランスジェンダーもいれば、HIV陽性のLGBTウガンダ人をサポートする活動をしている人もおり、さらにレインボー模様のスカーフやアームバンドをつけてやってきた人もいたそうです。「キャプテン・プライド」を名乗り、水兵服にレインボーの肩帯をつけて参加したFrank Mugishaさんは、参加者数の多さに衝撃を受けたと話しています。

そんな危険な国でなぜわざわざイベントを、と思う人もいるかもしれません。パレードなんかで世の中は変わらないと冷笑する人も。けれども元記事では、プライド・イベントは単に望まれているだけではなく、必要なことでもあるのだと強調しています。


メディアによる報道の集中砲火により、この国は「同性愛者にとっての地獄」として染め上げられた―同性愛者が苦しみ、たえまなく攻撃され続ける地獄に。そしてLGBTウガンダ人たちは、そうした脅威と戦う必要があるにもかかわらず、自分たちの喜びもあれば苦難もある微妙な経験を無視した話を聞かされることにうんざりしていた。
A barrage of media coverage has painted the country as a hell for gays―a place where they are suffering and being attacked constantly―and, despite the need to combat such threats, L.G.B.T. Ugandans were tired of hearing a story that ignored their nuanced experiences of both joy and hardship.

自ら発信しなければ、一律でメディア好みの「かわいそうな被害者像」に押し込まれて終わりですからね。ちなみに、このイベントがおこなわれた場所はピクニックスポットで、参加者たちは泳いだり酒を飲んだりDJがかける音楽に合わせて踊ったりして楽しんだそうです。Gay Star Newsによると、主催者さんたちは見物人に無料で食べ物や飲み物を配ったりもしていたとの由。「圧制に怯えて隠れている哀れなLGBT」像とはまたちょっと違うでしょう?

イベント中には警察が強制捜査にやってきて参加者3人が逮捕されたりもしています。どうも警察は、ここで同性同士が結婚式を挙げていると聞きつけてやってきたらしいです。逮捕された3名は不起訴で釈放され、プライド・イベントはそのまま続行されました。8月5日(日)の閉会イベントも、つつがなく実行されたそうです。

なお、イベント中におこなわれたパレードでは、「わたしたちはここにいる」("We are here")というシュプレヒコールが唱和されたとのこと。「アフリカには同性愛者はいない」という、よくある偏見へのカウンターパンチです。今後もまたこのようなイベントが開催され、当事者の声が世界中に届くといいなと思います。