ロシアのSNS、ステータスで異性同士の関係しか選べないことを批判される


ロシア最大のソーシャルネットワーク「フコンタクチェ」(VKontakte)が、ステータスのオプションで異性同士の関係しか選べないということで批判を浴びています。

詳細は以下。

フコンタクチェは、かつてアクティブアカウント数が1億2000万と報告されたこともあるSNS。ところがFacebookなどとは違い、ステータスの設定で同性同士の関係を選択することはできないのだそうです。Radio Free Europe (RFE)によると、Olegという男性が同SNSのヘルプに「ボーイフレンドがいることを示すオプションを作ってほしい」とリクエストしたところ、自分のプロフィールの性別を変えるように言われたとか。

じゃあFacebook使えばいいだろ、という話ではないんです。ロシアでは同性愛そのものは違法ではありませんがホモフォビアはいまだ強く、モスクワ・プライドでは多くの参加者が暴力的に逮捕されています。この国で実名主義Facebookを使うのは、かなりリスクが高いはず(フコンタクチェの利用規約を今ざっと見てみましたが、こちらには実名で登録せよとの文言はないみたいです)。ロシアのLGBTアクティヴィストのニコライ・アレクセイエフ氏は、フコンタクチェはたくさんの同性愛者ユーザから利益を得ているのだから同性同士の関係を認めるべきだと批判しています。

なお、もう何かのジョークとしか思えないのですが、フコンタクチェはヨーロッパのユーザも取り込むつもりらしく、インターフェースが多言語対応になっていたりします。公式言語は日・英・露・ウクライナ語ですが、他にオランダ語スペイン語、フランス語その他も選べるんです。同性婚もあればシビルユニオンやPACSもあるヨーロッパに、異性同士のカップルにしか対応できないSNSでどうやって切り込むつもりなのかと、失笑を禁じ得ません。

ちなみに同国では2012年7月、ロシア正教の団体が、ロシアは同性婚アイコンがあるFacebookをブロックすべきと主張して署名運動を繰り広げたりもしています。この団体によると、Facebookは「ソドミーをもてあそ」んで「未成年者に同性愛を普及させ」るものであり、米国はロシア人が子供を作れないようにしようと企んでいるのだということです。同団体は3日間で3万4千人もの署名が集まったと述べ、今後も計100万人を目標に署名を集めていくと発表している模様。
この手のニュースを見ていつも思うのが、「そんなに同性愛が嫌いなら、コンピュータを窓から投げ捨てたら?」ってことです。コンピュータ・サイエンスの父と呼ばれるアラン・チューリングはゲイだったんですからね。チューリングの功績を享受しておきながら、あたかもネットが異性愛者のためだけにあるかのようにふるまうというのは、滑稽でしかないとあたしは思います。いや日本にもいっぱいいますけどねそういう人。