アルゼンチン、医師や裁判所の同意がなくともジェンダーを変えられる法律を可決


2012年5月10日、アルゼンチンで、医師や裁判所の同意がなくとも法的にジェンダーを変えられるとする法律が可決されたそうです。

この法案は上院で賛成55票、棄権1票、反対0票で可決されたとのこと。これにより、同国では成人であれば医師や裁判所の同意を得なくてもジェンダーを変更できることになります。さらに、性別適合手術やホルモン療法に、公的な、または民間の医療保険を使うことも可能となります。ちなみに、本人のアイデンティティーが肉体的な特徴と違っていても、登記所に記録したジェンダーを使うことが認められるとのこと。


「身体をまったく変えなくても法的にジェンダーを変えられるということです。これは前代未聞です」スタンフォード大学の医療人類学者・生命倫理学者で、肉体的特徴がジェンダーアイデンティティーに適合しない人々への医学的・法的な扱いについて述べた“Fixing Sex”の著者であるKatrina Karkazisは語った。
「合衆国ではジェンダーを変えるためには医学的な基準を全部満たさなければなりません……その一方で、これ(訳注:アルゼンチンの新しい法律のこと)は、個人に対し、その人が望む生き方について驚くべき量の権限を与えています。本当にすごいことです」と彼女は述べた。
“It’s saying you can change your gender legally without having to change your body at all. That’s unheard of,” said Katrina Karkazis, a Stanford University medical anthropologist and bioethicst who wrote a book, “Fixing Sex,” about the medical and legal treatment of people whose physical characteristics don’t fully match their gender identity.
“There’s a whole set of medical criteria that people have to meet to change their gender in the U.S., and meanwhile this gives the individual an extraordinary amount of authority for how they want to live. It’s really incredible,” she said.

なお、18歳未満の場合は法律上の保護者の同意が必要なんだそうです。ただし、親や保護者が子どものジェンダーを変えたいと望んでも、本人の同意がなければ、裁判官が介入して子どもの権利が守られているかどうか調べることになっているとのこと。

元記事にもありますが、アルゼンチンは2010年にラテンアメリカで初めて同性婚を合法化した国です。いろんな意味で、日本よりよっぽど先を行ってますな。