英国でアンチゲイなパンフレットを配布した男性3人に有罪判決


英国ダービー市でアンチゲイなパンフレットを配布したイスラム教徒3名が、同性愛者への憎悪を煽ったとして有罪判決を受けました。

詳細は以下。

今回有罪となったのは、Ihjaz Ali(42)、 Kabir Ahmed(28)、Razwan Javed(27)の3人。彼らは2010年6月、ダービー市のゲイ・プライド・フェスティバルの数日前に、他の2人の男性とともに問題のパンフレットを配布していたとのこと。このパンフレットは同性愛者を死刑にしろと呼びかけるもので、

  • 「変えろ、さもなくば燃やせ」
  • 「死刑?」
  • 「神はおまえを忌み嫌う」

などのタイトルがつけられており、さらに、首つりにされたマネキンや燃えさかる湖などの画像も掲載されていたそうです。

英国では治安法(Public Order Act)1986により、スピーチや文章などで人種的な憎悪を扇動することが禁じられています。そして2010年には、性的指向にもとづく憎悪の扇動もこの治安法の対象とするという改正案が議会を通過しています。今回の件は、この法律でヘイトクライムと認められた最初のケースなのだそうです。

公訴局特別犯罪テロ対策室長Sue Hemming氏の以下の意見にうなずきました。


「人間には他の人が不快だとか醜悪だとか思うような極端な意見を持つ権利がありますが、同性愛者への憎悪をかきたてることを意図して脅すようなやり方でそのような意見をまき散らす権利はありません。
“While people are entitled to hold extreme opinions which others may find unpleasant and obnoxious, they are not entitled to distribute those opinions in a threatening manner intending to stir up hatred against gay people.

これまでの裁判の様子はPinkNews.co.ukが何度も報じていますが、被告側の言い分がいちいちひどいです。「同性愛を止めなければ津波が起こる」とか。中学生レベルの理科知識もないのか。「ダービー大学の先生のひとりはゲイで、大好きな先生だった」とか。その大好きな先生を絞首刑にしたり、火をつけて燃やしたりしたいのかオマエは。

あ、津波に関してはPinknewsのコメント欄にすばらしい意見がありますね。


英国が最後に津波地震によって引き起こされる高波のこと)に襲われたのはいつだった? 世界最大のイスラム教国インドネシアはしばしば津波に襲われています。インドネシアでいつも津波に遭う地方はスマトラ島北東端に位置するアチェ州で、ここはインドネシアで唯一同性愛を違法とする(イスラム教徒だけ。非イスラム教徒は違います)地方です。
When was the last time Britain got hit by a tsunami (tidal wave caused by an earthquake). Indonesia which is the largest Muslim country in the world is often hit by tsunami. The part of Indonesia which always gets hit is Aceh Provence on the northern end of Sumatra, the only part of Indonesia where homosexuality is illegal (for Muslims but not non-Muslims).

そうそう、アチェ州って同性愛者が公開むち打ち刑だの、8年以下の懲役だのに処せられるところなんですよね。そして皮肉にも、ここはスマトラ沖大地震津波でもっとも大きい被害が出たエリア。この矛盾をどうやって説明すんのよ。

なお今回有罪となった3人は、最高で懲役7年(罰金は上限なし)となるそうです。続報が待たれます。