米レズビアン女性、病院にパートナーとの面会を阻止されたと訴える


米国でてんかん発作による自動車事故を起こしたレズビアン女性が、病院にパートナーとの面会を阻止されたと訴えています。

詳細は以下。

この女性Kat Wilderotterさんは2011年11月、メリーランド州で運転中にてんかん発作を起こし、電柱に衝突したとのこと。その時、同性パートナーのLinda ColeさんはWilderotterさんの後ろで別の車を運転しており、一部始終を見ていたそうです。

にもかかわらず、ワシントン・アドヴェンティスト病院は、ColeさんがWilderotterさんと面会することを拒否。公式には家族ではないから面会できないと言われたとColeさんは述べています。結局、Wilderotterさんのきょうだいが到着するまで、ColeさんはWilderotterさんに会うことができなかったそうです。以下、Wilderotterさんのことば。


「発作の後にはひどい失見当識を起こし、強い恐怖に襲われます。私にとってはとても恐ろしい状況なんです」とWilderotterはNine Newsに語った。
“After a seizure, a person is very disoriented, is very scared, it’s a very terrifying situation for me,” Wilderotter told Nine News.


「私はただ、必要なときにパートナーと一緒にいさせてくれと頼んでいるのです、それだけです」
“I’m just asking to be with my partner, that’s it, in my time of need,”

オバマ大統領は2010年、病院は同性愛者のパートナーにも既婚の異性愛者カップルと同等の面会権を認めよとする命令を出しています。また、2011年1月18日には、メディケイド(低所得者医療扶助制度)とメディケア(老齢者医療保険)に入っているすべての医療機関に、ということは実質的には米国のあらゆる医療機関に、性的指向ジェンダーアイデンティティーなどを根拠に患者の面会権を侵害しないようにと要求する連邦規則が発効しています。

WilderotterさんとColeさんは、今回の病院の措置は大統領の命令に反しているとし、アメリカ合衆国保健社会福祉省および独立病院評価機構に正式に訴え出ているそうです。一方、病院側はコミュニケーション不足が事態の悪化を招いたとしながらも、どのような面会客も医療スタッフが必要な治療を行うまでは面会はできないと述べているとのこと。

この一件で何が問題かって、「公式には家族でないから面会できない」と説明されたというところですね。これが本当だとしたら、大統領の命令にも連邦規則にも違反しているわけですから。本当に病院の言い分通り「治療が済むまでは会えない」という理由で面会を拒否するのなら、最初からそう言えば済むことです。なぜ、そうしなかったのか? なぜColeさんはWilderotterさんの肉親が来るまで待たされたのか? そこがポイントだと思います。面会を拒まれているうちに愛する家族に死なれてしまうことだってあるので、ほんと、ただの「コミュニケーション不足」じゃ済まされないんですよこういうの。