サウジアラビアの宗教警察、同性とのデート目的でFacebookを使った男性を逮捕


中東のゲイ権利団体「Gay Middle East」が、同性とデートするためにFacebookを使用したサウジアラビア人男性が宗教警察に逮捕されたと報じています。この一件はアムネスティに通報済みですが、Facebookはコメントを拒否しているとのこと。

詳細は以下。

この男性の名前は公表されていません。2011年12月23日に同国の宗教警察である「勧善懲悪委員会」(Committee for the Propagation of Virtue and the Prevention of Vice)によって逮捕され、ダンマム(Dammam)の警察に拘留中とのこと。専門家は、この男性は恐喝および/または身体的な罰を受ける可能性があると警告しています。

Gay Middle EastのSami Hamwiさんによると、サウジアラビアではスンニー派ベドウィン族など生粋のサウジアラビア市民がしばしば軽い刑で放免される一方、シーア派や新しく帰化した市民には厳罰が与えられる傾向があるのだそうです。ダンマムはシーア派地域であり、逮捕された男性もシーア派なので、厳しい判決が下されるだろうとHamwiさんは述べています。ちなみに PinkNews.co.ukによると、同国では同性愛に対する処罰は懲役刑から鞭打ちによる死刑まであるとのこと。

以下、英国の外務英連邦省のスポークスパースンのコメント。


「私たちはこの報告を知って、さらなる情報を求めています。英国は、いかなる場合にも、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーLGBT)の人々へのあらゆる差別に対して反対します。
“We are aware of the reports and seeking further information. The UK opposes all discrimination against Lesbian, Gay, Bisexual and Transgender (LGBT) people in all circumstances.

アムネスティ・インターナショナルのスポークスパースンによるコメントは以下。


アムネスティ・インターナショナルはこの件についてさらなる情報を求めています。もしもこの報告の男性が同性愛のために逮捕され告発されているのであれば、アムネスティ・インターナショナルは彼を良心の囚人とみなし、無条件で即刻釈放するよう求めます。

”Amnesty International is seeking more information on this case. If the man reported in the Sabq story has been arrested and charged with homosexuality, Amnesty International would consider him to be a prisoner of conscience and call for his immediate and unconditional release.

IPから何から残るネットで、しかも実名主義Facebookでデート相手を探すっていうのは相当リスキーな行為だと思うけど、よりによってサウジアラビアでそれをやるとは。この男性が無事釈放されて、安全に暮らせるといいのですが。前述のHamwiさんによるとサウジアラビアには名誉殺人もあるらしいだけに、よけいに心配です。