米海軍士官、"Don't Ask, Don't Tell"撤廃直後に同性パートナーと結婚


米国の海軍士官が、2011年9月20日0時すぎ、同国の"Don't Ask, Don't Tell"政策(軍当局は兵士に同性愛者/両性愛者であるかどうかを問いただしてはならず、同性愛者/両性愛者の兵士も公言しないかぎり解雇されないという政策)が撤廃された直後に同性パートナーと結婚したそうです。

詳細は以下。

この海軍士官Gary Rossさんは33歳、民間人のパートナーのDan Swezyさんは49歳。11年間つきあっているカップルだそうです。ふたりが結婚の場所にバーモント州を選んだのは、ひとつにはこの州は東部標準時帯に属するということもあったとのこと。東部標準時なら、同日0時に"Don't Ask, Don't Tell"が正式に撤廃された後、もっとも早く結婚できるというわけです。ふたりは0時を過ぎてすぐ、家族や友人たちの前で誓いをかわしたとのこと。おめでとうございます、Rossさん、Swezyさん。

とは言え、手放しで喜んでばかりもいられないのは、こうして正式に結婚したところで、軍人の同性配偶者には異性配偶者と同じ権利は認められないということ。これについては、以下の記事などで詳しく論じられています。

これらの記事によると、米国軍人の異性の配偶者には大学の授業料、負傷した夫または妻につきそう権利、軍の健康保険制度を利用する権利、住宅手当などが与えられるのに対し、同性の配偶者はそうした恩恵にはあずかれないとのこと。米国の同性婚は、連邦レベルでは認められていないからです。DADT撤廃はまだまだほんの一里塚に過ぎず、次は、オバマ大統領も違憲だと主張しているDefence of Marriage Act(結婚防衛法、結婚とは男女の法的な結びつきであるとする連邦法)がどうなるかに注目ですね。