国連委、不当な処刑への非難決議から、性的指向についての文言を削除

2010年11月16日、国連総会第3委員会が、不当な処刑に対する非難決議から、性的指向についての言及を削除する案を採択したそうです。削除を支持した国の多くは同性愛を違法行為としており、うち5ヶ国では同性愛は死刑を科しうる犯罪だとのこと。
詳細は以下。

この非難決議は、裁判手続きを踏んでいない、即決の、または独断的な処刑からすべての人を守るよう各国に促すもので、10年前からは処刑の差別的な根拠のひとつとして性的指向が挙げられていました。
今回、アフリカ諸国の議長としてベニンが性的指向についての文言を削除する修正案を提出し、イスラム会議の代表であるモロッコが、人種やジェンダーや宗教に関する差別とは違い、同性愛差別を国際人権機関が扱う根拠はないと主張したそうです。

結果、賛成79票、反対70票、棄権17票で、この修正案が可決されました。2010年末までに国連総会で採択されて正式な決議となる見通しだそうです。

修正案に反対したNicola Freedman英国代表のこの言葉がずっしり重いです。


「この修正案を認めることは、この特に攻撃されやすい人々を特別な言及に値しないものだと認めることであり、ことによると、彼らを他の人々と同じように処刑から守られるだけの権利が保証されない存在であると示唆するものでさえある。我々にとって、このような示唆は、平等と人間の尊厳への敬意に対する侮辱である」
"To accept this amendment would be to accept that this particularly vulnerable group of people do not deserve specific mention, perhaps even to suggest that they do not warrant the same protection from killings. To us this suggestion is an affront to equality and respect for human dignity."

国連までこんなじゃ、あたしら同性愛者はまさしく「三界に家無し」って風情よね。どこに住めばいいんでしょうか。火星とか?

単語・語句など

単語・語句 意味
explicit 明示的な
extrajudicial 司法手続きを経ていない、法的に正当と認められない、裁判手続きを踏まない
summary 即決の、即座の、正当手続きを省略した
affront 侮辱する、傷つける