メキシコシティでラテンアメリカ初の同性婚法が発効

メキシコシティで2009年に可決された同性婚法が2010年3月5日に発効し、何十組もの同性カップルが結婚許可証の登録を行ったというニュース。
これでメキシコは、ブエノスアイレスを抜いて、同性婚が可能なラテンアメリカ初の都市となりました。なお、同市初の同性同士の結婚式は、これから7〜10日後に、書類が通ってから行われることになっているそうです。

なお、この法律は、同性カップルに結婚の権利のみならず、養子を迎える権利、ローンを組む権利、パートナーの保険の給付を受ける権利、無税で相続する権利を与えるものだとのこと。

この法が適用されるのはメキシコシティ在住者だけですが、メキシコ中の少なくとも31もの州から結婚希望者が集まったそうです。ちなみに、「メキシコシティ在住者」の判断基準はかなりゆるく、光熱費の請求書があれば良いとのこと。その請求書が他人名義でも通ってしまうことさえあるんだそうです。

一方、メキシコ連邦政府はこの法律は国の憲法に反するものであるとして最高裁に訴え出ているとのこと。同国法務大臣は、この法律は「家族を守るという憲法上の原則から逸脱しているので、適法とは言えない」と述べているそうです。また、ローマ・カトリックのNoberto Rivera Carrera枢機卿は、先月、この法律を「不道徳」で「非難されるべき」とみなしたとのこと。

パートナーと共同でローンを組んだり、ピンチのときにパートナーの保険の恩恵にあずかったりできるようになることのどこが「家族を守るという憲法上の原則から逸脱」していて「不道徳」なんだか、あたしにはひとつもわからないんですけどね。はっきり言えよ、「異性愛者の家族だけを守りたい、それ以外の連中はむしろ迫害したい」って。

なお、この法案を議会に提出したDavid Razuメキシコシティ市会議員は、最高裁はこの法を支持すると考えており、


「このような立法にはいつでも反作用の波があるものですが、私たちはそれに立ち向かう用意があります」
"There is always a wave of reaction to these kinds of measures, but we are prepared to face it,"
と語っているとのことです。

単語・語句など

単語・語句 意味
attorney general 法務総裁[大臣]、司法長官、検事総長
legality 適法(合法)性、法律遵守、遵法
archbishop 大司教
reprehensible 非難されるべき
uphold 支持する