マレーシア・ジョホール州での電話相談はゲイ男性からの相談が30%

マレーシアの半島部最南端にあるジョホール州でとあるNGO組織が行っている電話相談のうち、30%がゲイ男性からの相談だというニュース。以下、引用。


ジョホールバル】 電話相談を行なっている非政府組織(NGO)「ビフレンダーズ」(Befrienders)ジョホール支部によると、相談電話全体の30%をゲイ男性からの電話が占めている。多くの相談者が一般の人から押される「ホモ」という恥辱的な烙印に耐えきれなくなって自分の心を押し殺しているのだという。

シム・アーモイ支部長によると、ほとんどのゲイがアイデンティティに苦しみ家族にも打ち明けられないでおり、悩みを相談できる人がいない。「ビフレンダーズ」の相談員は批判的にならないような訓練を受けているため、ゲイたちは安心して心の内を明かすのだという。

なんとも胸痛む話です。性的少数者にしてみれば、安心できるLGBTコミュニティが身近(オンラインでもオフラインでも)にあればそこで仲間と悩みをシェアすることもできますが、そうでない状況では、こうしたリソースが命綱になりますよね。宗教的な圧力が少ない日本でさえ、地方在住でゲイタウンにまったくアクセスできず、ネット環境もなく、ひとりで悩んでいる人だったりしたら、こういう相談機関の存在がものすごく重要になってくるのでは。ましてやイスラム教徒が多いマレーシアでは、「批判的にならないような訓練を受けている」相談員さんの存在は、悩めるゲイにとって切実に必要なものなのではないかと思います。

ちなみにゲイジャパンニュースによると、同国では同性間の性行為は違法であり、「最大で20年の懲役とむち打ち刑が科される」とのことです。そりゃあ、ゲイたちが苦しんで電話相談のひとつもしたくなるはずだわ。

ところで元記事にはレズビアンについてひとつも書かれてないんですが、レズビアンたちはいったいどうしているのでしょうか。このへんを見る限り、マレーシアではレズビアンのセックスや「男性的なふるまい」が禁止されていたりして、女性同性愛者が抑圧されていないわけではないと思うんですが。こんなところでもまたもやレズビアンが不可視な存在になってしまっている(相談したくてもできないとか、相談しても記録に残らない/話題にならないとかで)のだとしたら、嫌だなあ。