家を売ろうとした英国のレズビアンカップル、不動産業者のWeb広告で性的指向を暴露される

英国で家を売ろうとしたレズビアンカップルが、不動産業者のWeb広告で勝手に性的指向を暴露され、抗議の末慰謝料5000ポンド(約75万円)を勝ち取ったというニュース。

被害に遭ったのはSuzanne Richardsさん(37)とSarah Dobinsonさん(45)のふたり。サフォーク州にある家を売ろうとしたところ、本在なら照会番号が入るはずのスペースに勝手に「レズビアン」の文字を入れられてしまったのだそうです。Richardsさんは以下のように語っています。


「あの物件情報を見たときには驚きで震え上がり、涙が出ました。あんなことをされたら、おそろしい災難に見舞われかねません。わたしたちの住所と性的指向をおおっぴらに結びつけられたら、わたしたちの人生が破滅してしまう可能性がありました」
"We were both shaking with disbelief and in tears when we read the property reference. The repercussions of such actions could have been catastrophic. Publicly linking our home address with our sexuality could have ruined our lives."

わざわざネットで住所(と、おそらく家の写真も*1)を晒した上でレズビアンだとばらすだなんて、サイッテーのアウティング(許可なく性的少数者セクシュアリティを暴露すること)ですよね。この業者が何を考えてこんなことをしたのか、想像もつきません。嫌がらせ? それとも社内で「あのレズの家」みたいに認識していて、そのままタイプしちゃったの? または、「女性が使っていた家だから綺麗です!」みたいな宣伝のつもりだったの? それとも、「レズが住んでた家」ってことで下世話な興味を持たれて値段がつり上がるとでも思ったの? いずれにしろ、慰謝料75万円じゃ足りないよ、これは。

ちなみにこの業者Jackson-Stops & Staffは、Richardsさんたちから最初に抗議を受けたとき、「何があなた方への差別だというのかわからない」と返事をよこしたとのこと。結局、同社は今回の件でRichardsさんたちに慰謝料を支払うはめになったのみならず、業界団体である英国王立勅許鑑定士協会(RICS)からけん責処分を受けたとのことです。

単語・語句など

単語・語句 意味
repercussion 影響、反響、波紋
reprimand けん責する、懲戒する、失跡する
profession body 業界団体
disrepute 不評、悪評、不名誉

*1:Jackson-Stops & StaffのWebサイトを見る限り、売り家の広告にはすべて写真がついているようです。