「警告:レズビアンを含む可能性があります」:英国の小売企業、レズビアン映画のDVDにステッカーを貼って「検閲」

テスコ社はじめ英国の大手小売企業が、コメディ・ホラー映画『レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ(Lesbian Vampire Killers)』のDVDジャケットにステッカーを貼りつけ、「レズビアン」という文字や、画像の一部を隠して販売しているというニュース。
元記事では、


おかしいな。そりゃ、Allegra McEvedyとSue Perkinsは、皆様おなじみの女性TV司会者たちとまったく同じ風には見えないかもしれないけど、この2人がヴァンパイアや人殺しよりも怖いだなんてぜんぜん思えないわ。
Strange, that. Allegra McEvedy and Sue Perkins might not look quite like your average lady TV presenters but I'd hardly consider them scarier than vampires and killers.
と皮肉られています。

ちなみに、「レズビアン」という恐怖の単語を隠すのみにとどまらず、「警告:性的にあからさまなカバー画像を含む可能性があります」というステッカーが貼り付けられているものもあれば、女性の胸の谷間だけを隠すステッカーに「警告:露骨にセクシーな吸血かわいこちゃんあり!」という文字が踊っているものもあるそうです。要するにレズビアンという存在は、

  • 人目に触れさせてはいけない、悪いもの
  • 男の目を喜ばせるエロいもの

の二通りにしか解釈されていないってわけですね。

テスコの他には、セインズベリーズ、アズダ、ボーダーズなどの小売り企業が、このようにステッカーでDVDジャケットの一部を隠して販売しているとのこと。何も手を加えずに売っているのはHMVだけだそうです。

日本でも、たとえばレンタルDVD屋で『月の瞳』が「エロティック映画」の棚に置かれていたりして、「レズビアン=男の目を喜ばせるエロいもの」という販促作戦は健在ですね。レズビアンという語やジャケット写真がステッカーで覆い隠されてまでいないのは幸いですが、日本の場合、別に同性愛に理解があるというわけではなく、単に「エロイメージを利用して売ろう」という下心のもとに放置されているだけではないかという気がします。ていうか、隠すどころか、DVDを製作する側が率先してエロイメージ・禁断イメージを煽る文言をジャケットに踊らせ、

  1. エロ目的の人は飛びついて買う
  2. 「子供は見てはいけない、不道徳なもの」という雰囲気をかもし出す

という一挙両得路線を狙う傾向がありませんか日本って。ほら、『ウーマンラブウーマン』のジャケットに、「シャロン・ストーン、大胆ヌードを披露!」「性を赤裸々に描いた本作」なんて印刷されていたりするアレですよ。

結局、英国だろうと日本だろうと、レズボフォビア(レズビアン嫌悪)とセクシズムは健在っていうことでしょうか。頭痛いです。