モルモン教会所有地でキスをしたゲイカップル、不起訴に

先日紹介した「ユタ州でもゲイカップルのキスを巡って騒動が。 - みやきち日記」の続きです。モルモン教会の所有する広場で男性同士でキスしたために警備員ともめ、不法侵入罪で召喚されていたMatt AuneさんとDerek Jonesさんが、結局不起訴になったとのことです。
この件について、ソルトレイクシティのSim Gill検察官は以下のように語っている模様。


「この私有地に足を踏み入れた人を、どのような理由であれ『意のままに』立ち退かせることができると明確に示す標識はなかった」
“There were no signs clearly indicating the ‘at will’ capacity to eject -- for any reason -- persons who entered this private property.”

「この2人は――たとえ誤解だったとはいえ――その場にいる権利があると思っていたのである」とGillは言った。「その所有地を一般の人々が自由に入れないようにするか、やってくる人が私有地だとわかるようなやり方で公開しておくかどちらかにするのが公正というものである」
"The two individuals believed -- albeit mistakenly -- that they had the right to be there," Gill said. "Fairness requires that either that property be not open to the public or you condition that [openness] in a way that the person who comes on understands that it is private property."

なるほど、納得。
もちろんゲイカップルの側にも土地所有者の価値観をリスペクトする必要はあった(私有地を通らせてもらってるわけですからね)と思うのですが、

  1. 私有地だと明示されていなかった
  2. 何をしたら排除されるかというルールも明示されていなかった
  3. 上記の条件下で地面に叩きつけられ、手錠をかけられ、警察に通報された

という点では、教会側にも通行人に対するリスペクトに欠けていたと思うんですよね。こうした点に関しては、あたしは今回の不起訴処分についてBox Turtle Bulletinで書かれていた以下の一節に同意です。


もしこの教会が、JonesとAuneに対して単純に「頬にキスをしたからといって、地面に叩きつけて手錠をかけて逮捕させてごめんなさい。ここが私たちの私有地であることを忘れないようにして、私たちのルールを尊重してください、そうすれば私たちはあなたがたも神の似姿として作られた隣人であり、礼儀正しく敬意を持って扱わねばならないということを忘れないようにします」と言ったなら、もっとよかったのでは?
Wouldn’t it all have been better if the Church had simply told Jones and Aune, “We’re sorry we slammed you to the ground, put you in handcuffs, and had you arrested for a kiss on the cheek. Please try to remember that this is our private property and to respect our rules and we will try to remember that you are our neighbors made in God’s image and we must treat you with decency and respect”?

単語・語句など

単語・語句 意味
prosecutor 検察官
albeit たとえ…でも、…にもかかわらず
at will 自由に、意のままに、随意に、好きなように
conflicting 矛盾する、相反する、相容れない
condition 条件を設ける
decency 礼儀