「トランスジェンダーの約3分の1は過去1年間に自殺を考えたことがある」米国の調査で判明

米国マサチューセッツ州の公衆衛生局の調査で、トランスジェンダーの回答者の31パーセントが「過去1年間に自殺を考えたことがある」と答えたというニュース。この調査は計1598名の有効回答に基づくもので、うち52名がトランスだとのこと。LGBTの健康問題に関する調査としては、マサチューセッツ州で最大のものだそうです。ちなみにこの自殺についての項目に関して他の回答者と比較すると、以下のようになります。

カテゴリ 過去1年間に自殺を考えたことがある人
トランスジェンダー 31パーセント
異性愛 2パーセント
ゲイ・レズビアン 4パーセント
バイセクシュアル 7パーセント

トランスのこのずば抜けた高さは一体。
さらに、ドメスティックバイオレンスについての集計結果も興味深いです。この調査では、「パートナーから暴力で脅されたことがある」と答えた異性愛者は12.4パーセント、同性愛者は14パーセント、両性愛者は18パーセントだったのに対し、トランスジェンダーは34.6パーセントだったとのこと。

自殺の話にせよDVの話にせよ、これらの数字を見る限りでは、なんだか「マイノリティ度が高ければ高いほど、より高いリスクにさらされている」という傾向があるような気が。ちなみにこの調査では、「バイセクシュアルは喫煙、飲酒、喘息、自殺的な考えなどのリスクが特に高い」という結果も得られたそうです。先日、「ゲイの男子大学生は成績優秀、一方バイセクシュアル女子学生は残念な結果に(追記あり) - みやきち日記」というエントリを上げたときにもちらっと思ったんですが、こういうのって周囲の無理解や圧力や、そこからくる自己評価の低さが関係してたりはしないんでしょうか。トランスやバイセクシュアルって、同性愛者に比べると「マイノリティの中のマイノリティ」な部分があって、それが日々の生活や健康に影響を及ぼしている可能性は否定できないと思うんですよね。いや、あくまで個人的な憶測ですけど。

なお、この調査のより詳しい結果については、以下(PDF)をどうぞ。