NYでトランス女性を射殺した男、ヘイトクライムで有罪に

ニューヨークで昨年11月にMTFトランスジェンダー女性Latiesha Green(本名Moses Cannon)さんを射殺した男が、ヘイトクライムの故殺で有罪宣告を受けたというニュース。合衆国でトランスジェンダー関連の事件がヘイトクライムと認定されたのは、これが史上2度目とのことです。(ちなみに1度目は、「トランス女性を消火器で殴り殺した男、終身刑に - みやきち日記」で紹介したコロラド州の事件)

Latiesha Greenさん(22)が殺された事件のいきさつは、このへんこのへんに詳しいです。事件当日、Greenさんは弟のMark Cannon(18)さんと共にパーティーに招かれていました。パーティー会場でGreenさんが車から降りようとしたところ、Dwight DeLee被告(20)が家の中から22口径ライフルを持ち出し、運転席側から窓ガラス越しに1発撃ちこみました。弾丸はCannonさんの腕をかすめてGreenさんの胸に命中。Cannonさんは腕を負傷しながらも車を運転して逃げ、姉を病院に運びましたが、Greenさんはその夜のうちに亡くなりました。

今回の裁判では、被告側の弁護士はDeLee被告はホモフォビックでなかったと述べ、検察は被告が事件の前から同性愛に偏見を持っていたことを立証できていないと主張。しかし、複数の目撃者が、DeLee被告はライフルを撃つ直前、Greenさんを「カマ野郎(faggot)」と呼んでいたと述べています。
なお、殺されたGreenさんは16歳のときから女性として暮らし始め、よく女性の服を着ていましたが、撃たれた日にはジーンズとTシャツという姿だったそうです。
DeLee被告の刑期が確定するのは8月18日で、10年以上25年以下の刑になるだろうとのこと。

それにしても、この手の報道を見ていていつも気になるのが、なんでトランスジェンダーが殺された事件で「同性愛/同性愛者への」偏見が争点になるんだろうってことです。トランスと同性愛は別物なのにね。そのへんをいっしょくたにして暴力をふるう人が、それだけ多いってことなんでしょうか。ちなみにThe Associated Pressによると、FBIに届け出られるヘイトクライムの件数は毎年約8000件で、うち15パーセントを性的指向関連の事件が占めており、これは「人種」と「宗教」についで上から3番目なんだそうです。

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