サンディエゴの学校、生徒のハーヴェイ・ミルクについてのレポートを検閲
米国カリフォルニア州のSan Diego County schoolが、ゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクについて生徒が書いたレポートのプレゼンテーションを検閲したというニュース。「クラスメイトたちが親から『そのプレゼンテーションを聞いてもよい』という許可をもらわない限り、発表してはいけない」としたんだそうです。
学校長Theresa Grace氏の言い分は、「そのレポートのプレゼンは、『生徒が性に関する授業を受ける際には、事前に親の許可を得なければならない』という学校区の方針に抵触する」とのこと。でもハーヴェイ・ミルクは政治家であり人権活動家であって、別にセックス絡みの活動なんかしてなかったと思うんですけど。同性愛者と言えば即「性的な存在」としてしかとらえられないという、ありがちな視野狭窄が見て取れますな。
結局、校長がこの「デリケートな問題」について保護者たちに手紙を送った後、くだんの生徒は授業中ではなく昼休みにプレゼンすることを許され、13人のクラスメイトのうち8人の前で発表を行ったそうです。
もしこれが、「マーチン・ルーサー・キングJr.についてのレポートは、保護者の許可がなければ発表してはいけない」「授業中の発表もダメ、昼休みにしなさい」とかだったらレイシズムだとして大問題になるだろうってことは、いくらこの学校長でもわかると思うんですよ。でも、ゲイが相手ならそれと同じことをやってもいいと思われてるんですね、まだ。あるいはこの校長は、アンチゲイな親からのクレームが怖くて「臭い物に蓋」をしただけかもしれませんが、それはそれで問題かと。
ちなみにアメリカ自由人権協会(ACLU)は、この措置は生徒の権利を侵害するものであるとし、学校区に対して
- 生徒に謝罪し、教育方針を明確にすること
- この生徒に授業中にプレゼンテーションする機会を与えること
を要求しています。要求が受け入れられなかった場合は告訴するとのことです。
単語・語句など
単語・語句 | 意味 |
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slain | slayの過去分詞形 |
clarify | 明確にする |