シンガポールで性の多様性を祝うイベント「ピンク・ドット」が成功(追記1件あり)

シンガポールLGBT異性愛者が共に性の多様性を祝うイベント「ピンク・ドット」が初めて行われ、成功を収めたというニュース。これは政治的な抗議集会ではなく、イベントの目的はあくまで「すべての性的指向の人々の、あらゆる形の愛を祝うこと」。当然異性愛者も大歓迎で、当日は約2500人もの参加者がピンクの服を着て「LOVE 4 ALL」の人文字を作っています。

論より証拠、まずは動画をごらんあれ。

きれーい。そして楽しそう! 

単語・語句など

単語・語句 意味
commemorate 祝う、記念する、(演説・文章中などで)たたえる

16:00追記

なんだか不思議なブクマコメをいただいたので追記。


krog LGBT異性愛者だけで「性の多様性を祝うイベント」。アセクシャルノンセクシャルなどのLGBT以外の性的マイノリティは無視されている? 2009/05/21

LGBT異性愛者だけで」なんてあたしは一言も書いてないし、元記事にも動画にもそんな表現はひとつもないんですけど。間違った解釈が広がっても困るので、とりあえず3点に分けて反論。

1:LBGTとは、必ずしもレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー「だけ」を指す語ではありません。


現代では、LGBTという語は、「性的指向及びジェンダーアイデンティティに基づく文化」の多様性を強調することを意図して使われている。そして時には、単に同性愛者・両性愛者・トランスジェンダーのみを指すのではなく、誰であれ非異性愛者を指すために使われている。
In modern usage, the term LGBT is intended to emphasize a diversity of "sexuality and gender identity‐based cultures" and is sometimes used to refer to anyone who is non‐heterosexual instead of exclusively to people who are homosexual, bisexual, or transgender.

少なくとも英語メディアでは、日本語で言う「セクシュアルマイノリティ」と同じ文脈で「LGBT」と言うことがほとんど(つまり、性的少数者全般を指す語として使うことがほとんど)だと思います。あたしもその意味で使っています。LGBTという語の字面だけで「レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー『だけ』を指す」と解釈するのも読み手の自由ではありますが、それで「無視されている」とまで結論づけてしまうのは、いくらなんでも飛躍しすぎなのでは。

2: 元記事読めない?

強調は引用者によります。


このイベントは、シンガポール人全般のためのものでした――性的指向とは関係なく、愛の多様性と自由に敬意を表するためのものでした。

The event was for Singaporeans in general - to affirm our respect for diversity and the freedom to love, regardless of sexual orientation.


参加者たちはさまざまな指向の人たちで、子連れ家族から男性、女性など多岐にわたっており、イベントにお祭りの雰囲気を与えていた。

Participants - ranging from families with children to men and women from different orientations - added to the carnival atmosphere of the event.

3: 動画見れない?

2:02のところで、髪の毛をふたつしばりにしたおばちゃんが、おそらく会場の外から見ている人たちに向かってこう呼びかけています。


誰でも、誰でも招かれています。みんな歓迎です。どうぞ入ってきてください。どうぞ私たちと一緒に「ピンク・ドット」に加わってください。
Everybody, everybody is invited. We welcome, welcome everyone. Please come in. Please come into "Pink Dot" with us.

あたしここんとこ見てすごく感動したんですけど。
で、誰が誰に無視されてるんでしょうか。id:krogさんのお考えになるところの「アセクシャルノンセクシャルなどのLGBT以外の性的マイノリティ」は、「みんな」(everybody / everyone)の中には入ってないのでしょうか?