『イグアナの嫁』(細川貂々、幻冬舎)感想

イグアナの嫁イグアナの嫁
細川 貂々

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ベストセラー『ツレがうつになりまして。』レビュー)の第2弾。前作と少し違うのは、ツレさんの発病前と治り際の状況や、てんてんさん側の事情・気持ちなどがより長いスパンの中で細かく描き込まれていること。特にツレさんの治り際の躁転の様子なんて、とても具体的かつわかりやすく描かれており、文字だけのうつ病解説本よりよほどこの病気の本質を突いていると思いました。また、もともと「マイナス思考クイーン」だったてんてんさんが、イグアナの「イグ」との出会いとツレさんのうつ病をきっかけに少しずつ変わっていくところもリアルで、共感できました。自分や家族がうつ病の人はもちろん、今仕事や人生に煮詰まってしんどい思いをしているすべての人におすすめです。

なお、この作品では、イグちゃんの可愛さも見逃せません。『イグアナの嫁』は、てんてんさん夫妻が「無職・貧乏・うつに立ち向かう」(帯より)漫画であると同時に、「人生のたいせつなことは、すべてイグが教えてくれた」(同)というイグアナ溺愛漫画でもあります。自分も猫を飼っているから余計にそう思うのですが、ペットを飼うことで毎日の生活が(そして、ひょっとしたら人生までもが)いい方向に変わるってことはありますよね、やっぱり。前作にも少しだけ登場したイグちゃんの活躍がもっと見たい人(含むあたし)にとっては必読の一冊だと思いました。

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