NTTドコモのアクセス制限問題について、ちょこっとつけたし 11:48

1. これまでの流れなど

上記2つのエントリを書いた後で掲示板でビューワー様からご指摘いただいたことと、検索で新たに気づいたことを、以下にちょこっとつけたしておきます。あと、最初に宣言しておきますが、今後当分この「みやきち日記」でNTTドコモのアクセス制限問題について触れることはありません。理由は単に、「毎日真面目な日記ばっかり書いてたら疲労困憊してしまった」ということにつきるんですけど。

2. ひょっとしたらネットスター社のデフォルト?

以下、掲示板でビューワー様からいただいたご指摘です。


フィルタリングのカテゴリ変更はラジオボタン一つで可能ですが、サービスのリスタート等、サービス断が起こる可能性があるため、キャリアがわでは渋るだろうなぁ、と思います。たぶん悪いのはネットスター。デフォルトの「子供向け」規制に「同性愛」が入ってただけだと思います。これがデフォルト規制になっていなくても、そのまま使用されていた気がする。

その可能性があったか! (盲点でした……)

もしネットスターの「子ども向け規制らくらくパック」(と勝手に命名)みたいなデフォルトのセットに最初から「ライフスタイル(同性愛)」が入っていたんだとすると、ソフトバンクは自社判断でそれを外し、ドコモは単純にそのまま使ったってことになりますね。

するとドコモへの評価は「ホモフォビック企業」から「うっかりさん企業」寄りになってきそうですが、去年の夏頃からさんざん批判されていても方針を変えないあたり、「うっかりさんで、かつ、頑固」な企業なのかもしれませんね。

3. NTTドコモはアクセス制限サービスをさらに広い年代向けに提供するつもりのようです。

報道発表資料「有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)のさらなる普及促進に向けた取り組みを強化<2007年3月1日>」によると、NTTドコモはアクセス制限サービスをさらに広い年代向けに提供するつもりのようです。


携帯電話を新規にお申込みいただく際に、これまでご契約の方が未成年の場合にのみ、親権者同意書においてアクセス制限サービスの利用意向確認を実施しておりましたが、今後はご契約者が未成年の方に限らず、全ての新規お申込み受付時にアクセス制限サービスの利用意向確認を実施いたします。4月に申込書を変更し、6月までにシステム対応を行い、さらなる徹底を図ってまいります。

ということは、契約者が成人であっても、「迂闊に詐欺サイトとかグロサイトとか踏みたくないしなー」と規約をろくに読まずにアクセス制限を申し込んだ場合*1、自動的に「ライフスタイル(同性愛)」の情報も遮断されるわけですね。いや、それはもちろん規約読まない・他キャリアとの比較をしない方が悪いんですけれどもね。


小学生などのお子様だけでなく、中学生・高校生などの未成年の方にもご利用いただきやすくするため、現在提供しているアクセス制限サービスの名称を変更いたします。

変更前 変更後
キッズiモードR キッズ iモードフィルタTM
キッズiモードプラスR iモードフィルタTM

サービス名称変更時期 : 2007年4月6日(金曜)

中高生まで狙ってきましたか。仮にNTTドコモが単なるうっかりさんで「ライフスタイル(同性愛)」をフィルタリングしてるんだとしても、多感な思春期に親からドコモの携帯持たされるゲイとレズビアンティーンエイジャーは苦労しそうだなあ。

つーかね、「同性愛など悪だ!!」っちゅー親だって当然いていいと思うのよ。人が頭ん中で何考えてようと、そんなのその人の自由よ。そういう親に育てられた子は異性愛者であろうと同性愛者であろうとその分ハンデを背負うわけだけど(偏見や悪意を植えつけられて育つわけだからね)、だからと言って子どもが親の完全コピペになるわけでもない。賢い子なら、親の抑圧をかいくぐってちゃんとまともな情報を身につけて、視野の広い子に育つことでしょうよ。

だけど、今のNTTドコモのフィルタリング(「うっかりさんフィルタリング」なのか、「悪意ある*2フィルタリング」なのかは不明ですがー)じゃ、そこまで無知&偏見まみれではない親であっても、「子どもに違法薬物サイトやアダルトサイトを見せたくなかったら、アダルトではない真面目な同性愛サイトまで全部ブロックしてしまうしかない」というのが問題なのよ。制度に選択の余地すらない、っつーのがいかんのよ。実質、NTTドコモ側が何を言おうと「ライフスタイル(同性愛)」は一律有害サイト扱いされてるわけだしさ。意図や事情がどうあろうと、実質的には情報操作つーか検閲じゃん、これ。せめて選ばせろ、と思うのよ。

4. あたしがこの件で心配していること

「同性愛者の子どもが苦しむこと」と同じぐらい、「異性愛者のホモフォビア(同性愛嫌悪)が延々と再生産されること」が心配なんですよあたしは。それなのに他人事だと思い込んでのほほんとしてやがるんじゃないわよ、異性愛者はよー*3
2006年6月28日に、あたしは「呑気なヘテロホモフォビアを再生産する」というエントリで、同性同士の恋を「変なこと」「本当の恋じゃない」などの偏見に満ちた視点で描く創作作品について、次のようなことを書いています。


たとえレズビアンイベント皆無の地方に住んでいたって、携帯でGoogleでもYAHOO!でも行って、「同性愛」とか「レズビアン」とかで検索すれば、簡単にゲイリブサイトや、レズビアンの幸せカップルブログや、女の子が好きな女の子の出会いの掲示板がざくざくみつかる時代です。図書館にだって、ハードカバーのちゃんとした(差別的でない)同性愛研究の本がたくさんあります。
とっかかりで「同性を好きになるのは変なことなんだろうか」と悩むところまでは今も昔も変わらないにしろ、その後、ちょこっと調べ物をすれば、「変なことじゃないよ」「あなたひとりじゃないよ」と言ってくれるサイトが/本が/仲間がいくらでも見つかるはずなんですよ、現代なら。それなのに最低限の情報すら求めようとせずにいつまでも悲劇のヒロインぶってるのは、(1)怠惰、あるいはバカ (2)そこまで切迫していない呑気なヘテロセクシュアル(『なんちゃってレズ』を含む)のどちらかでしかありません。

このままだと、携帯でアクセスできる最低限の情報*4すらどんどんブロックされちゃうわけで、ますます「百合は背徳☆」「禁断☆」「いけないこと☆」みたいに決め付けて大喜びするクソ失礼なヘテロと、「やっぱり自分は変なんだ」と思いつめる同性愛者が拡大再生産されそうで、なんか嫌だわーと思います。せめて図書館に行くのよ、みんな!

5. おしまい。

おしまいったらおしまい。疲れたので、もうこの話題には当分触れません。

*1:成人だとアダルトサイトをむしろ積極的に見たい人も多いでしょうから、進んでアクセス制限を申し込む人が果たしてどれぐらい出るのか疑問ではありますが。あと、これってそういう「成人が契約した携帯を、その成人本人が使う」ケースじゃなくて、むしろ「親名義で契約した携帯を子どもが使う」ケースを想定した制度だってことはわかるんですけど。

*2:でもさー、こういうのって偏見コテコテな人ほど「自分に偏見や悪意はない」って思ってるから、言っても無駄なんだけどね。奴隷解放以前の南部の白人農場主が「自分は頭が悪くて怠け者の黒人どもに仕事と食べ物を与えているすごくいい人」と信じて疑わなかったようなもんでね。

*3:全部の異性愛者がそうだと言っているわけではありません。念の為。

*4:同性愛者用の出会いの掲示板とかは、異性愛者用の出会いサイト同様、フィルタリングしちゃっていいと思いますけどね。