誰が「寂しい」のよ、失敬な!! - 日テレ・アンテナ22 「真夜中の新宿2丁目 自由奔放な魅惑の街」(2006年5月15日放映)の感想
おなじみの、LBGTを珍獣扱いして喜んでるだけのしょーもない番組でした。「自由」と「多様性」を持ち上げるフリだけはしていたあたりが新しいといえば新しいけど、結局はノンケの覗き趣味に満ちたイヤなつくりだったわ。で、TVを見るあたしを横で見てた彼女が吹いたのがこのひとこま。
ナレーション「ひょっとすると、みんな(注:2丁目に集うLGBTのこと)普段はおそろしく寂しいんじゃないんだろうか。だからこの街に来て、寂しさを埋め合わせているんじゃないだろうか。そんな想像もわいてきます」
あたし「失敬なっっ!!」
実際にはこれ↑、ナレーションが「寂しいんじゃないだろうか」と抜かした瞬間にあたしが電光石火で「失敬なっ!」と叫んだので、そのあまりの怒りっぷりに彼女が吹き出したわけなんですけども。
だってその瞬間、あたしは暖かい家にぬくぬく座ってて、横では大切な彼女が呑気にニンテンドーDSやってて、仲良くごはんも食べたばっかりで、膝の上では猫が腹見せて甘えてて、この上なく幸せな状態でテレビ見てたのよ。あたしも2丁目に飲みに行く人間のひとりだけど、だからってなんで「寂しい」なんて決め付けられなくちゃいけないのよ。まったく、失敬な!!
2丁目は(というか、全国のLGBT向けの歓楽街は)寂しさを埋めるところじゃなくて、単にお金を払ってエンタテインしてもらいに行くところよ。それはノンケの皆さんがおねーちゃんのいる店に飲みに行ったり、ノンケクラブで踊ったりナンパしたりするのと全く同じ構造なのよ。
もっと言ってしまえば2丁目なんてディズニーランドと変わんないと思う。あれは単なる巨大な遊園地であって、毎日真面目に働いてる人たちがお金を払って楽しみに行くところでしょ。それで楽しく飲んで騒いで発散して、翌日からまた頑張って働くってわけでさ。つまり、この番組のやってることは、TDLの巨大なミッキー像の前で暗〜い顔して「ディズニーランドに来る人たちは、本当は寂しいんです」とナレーションしてるのと同じで、くだらないったらないわ。
で、上記のようなことをゲイタウンで飲み屋をやってる友達に愚痴ったら、その子が言うには、「あの番組、ホストクラブ特集のときも『ホストクラブに来る女性達は、本当は寂しいんじゃないんだろうか』って言ってたから、飲みに来る人はみんな寂しいってことにしたいんじゃないの」だって。なるほど、安直に結論づけるには「こういう人たちは寂しいんだ」って見下すのが手っ取り早いってことなのか。やーね。この手の番組は、最初から見ないに限るわね、結局。