メメント・モリ

普段からバイクに乗るときは最低でもJISC種以上のメットをかぶるし、「これでもか!」とばかりに本格的なプロテクターを仕込んだジャケット(SPIDIのやつ)を着ているし、基本的に安全運転だし、そもそもスピード出ないオフ車だし、そうそう事故で死ぬこともないだろう、と思ってたんですが。
昨日の出勤中、いつも曲がる場所で右折しようとしたときのこと。ウインカーを出して減速したあたしの耳に、すぐ背後で「ギュギュギュギュギュギュ!!!!!」とタイヤがきしむ音が聞こえました。ゴムが焦げるすさまじい悪臭もしました。ミラーの中には、ものすごい勢いでみるみるアップになる大型トラックの姿。あたしのバイクの真後ろにいたトラックが、あたしがウインカーを出したのをまったく見てなかったんです。

事故に直面する瞬間は全てがスローモーションになり、妙に冷静に物事を考えてしまうというのは、ライダーやドライバーなら誰でも経験済みだと思います。昨日のあたしもそうでした。
「あ、ぶつかるかも」
「前見てなかったんだ」
「でも逃げ場ないし」
「対向車線に飛び込んだら轢かれるし」
「どうしよう」
「止まるかな」
「ゴムが焼ける匂いって臭いなあ」
「緊急連絡先を免許証に入れといてよかったな」
といったことを、一瞬のうちに淡々と考えていました。「怖い」でも「トラックの運転手ムカツク」でもなく、ただ淡々と。
結果的にはトラックはあたしをはね飛ばす直前でなんとか停車し、何事もなく終わったんですけどね。でも、自分がどれだけ気をつけていても事故に遭うときは遭うし、死ぬときは死ぬんだなあと実感しました。だからって何ができるわけでもないけど、せめてヘルメットにもっと気を使おうと固く固く決意しました。ずっとホーネットかぶってたけど、SNELL規格通ってるTXモタードか何かに買い換えようと思います。用品屋に行かねば。