映画『ミリオンダラー・ベイビー』感想

ミリオンダラー・ベイビー』をようやく見てきましたよ。ネタバレが絶対に許されないストーリーだと思うので詳細は伏せますが、とにかくいい映画でした。こんなすげー作品に資金提供者がいなくて、イーストウッド自らがスポンサー探しに駆けずり回ったたあ、どういうことだと思いました。それぐらい、良かった。DVDが出たら絶対買うぞ!

あたしは映画でも漫画でも小説でも、必要最小限の説明だけをクールにこなして「後はアンタが解釈/想像しろ」と潔く受け手の想像力にまかせてくれる作品が好きなんですが、この映画はまさしくそれだと思います。全体的に饒舌すぎない、辛い場面も爽快な場面もシンプルに描写し切った作品だという印象を受けました。

物語の結末には賛否両論あるだろうけど、あたしはあれを「是」とする考え方をとります。一方、一緒に見ていた相方はあれを「否」とするタイプの人なので、帰りの車の中であーだこーだと話し合うのがまた面白かったです。たぶん『ミリオンダラー・ベイビー』は、現代よりもちょっと前の時代の話なんだろうね、というところでうちらの意見は一致しましたが、この寡黙な作品はそこまでを語らないので、「いったいいつぐらいの話なのか」「実はやっぱり現代の話で、あえてああいう描写にしたのか」なんてことを考えてみるのもまた楽しいかと思います。深い映画でした、ほんとに。