オーストラリアのオリンピック選手「異性愛者カップルが同室に泊まれないのは差別」と主張


ロンドンオリンピックに出場するオーストラリアの射撃選手が、オーストラリア代表選手の「多数のゲイカップル」(tons of gay couples)が同室に泊まれるのに自分が妻と同じ部屋に宿泊できないのは差別だと主張しているそうです。
しかしながら、実際にはオーストラリア選手団に「ゲイカップル」の存在はまったく確認されていないとのこと。

詳細は以下。

この選手は射撃競技ラッセル・マーク(Russell Mark)氏で、奥さんのローリン(Lauryn)さんはスキート競技の金メダリスト。マーク氏は、「山ほど」いるゲイの選手カップルは同室に宿泊できるのに自分が妻と同じ部屋に泊まれないのにのはおかしいと主張しています。以下、彼の弁。


「私は彼ら(訳注:AOC、つまりオーストラリアオリンピック委員会のこと)に抗議したのですが、馬鹿げたことに、オリンピックチームで同じ部屋に宿泊するゲイカップルは山ほどいるのだから、私たちは異性愛者であるという理由で差別されているということです。
“The stupid part of this, which I have argued to them, is that there are tons of gay couples on the Olympic team who will be rooming together so we are being discriminated against because we are heterosexual.

そして、妻のローリンさんの意見。


「基本的に彼らは、もし私たちが一緒の部屋に泊まりたければ(オリンピックの)選手村をチェックアウトして自費でホテルに行けと言ったんです。そんなことは不可能です。
スポーツにはたくさんの同性カップルがいて、同性のパートナーと泊まるのはOKなのに、異性愛者だと罰則を受けるということに失望しました。
“Basically they said if we want to room together we need to check out of the [Olympic] village and go into a hotel at our own expense. It’s not feasible.
“I am very frustrated because in sport there are a lot of same sex couples and its OK to be partners with someone of the same sex but if you are heterosexual you are penalised.

でもですね、冒頭にも書きましたが、オーストラリア選手団の中には「ゲイカップル」の存在は一組も確認されていないんです。同性愛者の選手ならいますよ。高飛び込みのマシュー・ミッチャム(Matthew Mitcham)選手と、ビーチバレーのナタリー・クック(Natalie Cook)選手です。でも、どちらも、オリンピック選手の恋人がいるという情報はありません。

ちなみにオーストラリアオリンピック委員会は、マーク夫妻の部屋割を決めるのは同委員会の責任ではなく、射撃代表団の責任であると言っている模様。また、オーストラリア選手団団長のニック・グリーン氏は、異性愛者のカップルは差別されてしていないと述べ、「宿泊については、すべての選手が確実に選手村で宿泊できるよう、特定のやり方でおこなわれている」と主張しているそうです。

実在しているというエビデンスのない「被害者」を設定して「あの人たちを差別しているからおまえは差別者だー!」と主張する人なら、これまでけっこう見てきたつもりです。しかし、まさか実在しない(少なくとも、誰もその存在を確認していない)「優遇されているゲイカップル」を持ち出して「あいつらばっかり優遇しているからおまえは差別者だー!」と言い出す人が出てくるとは。世の中いろんな人がいますねえ。単純に「妻と一緒に泊まりたいからなんとかして」と訴えるってわけにはいかなかったんでしょうか。