レズビアンの陸軍大尉、軍のダンスパーティーで上官から暴力をうける


米国のレズビアンの陸軍大尉が、2012年4月12日に軍のダンスパーティーで上官から暴言を吐かれ、ダンスフロアから力で押し出されたとして正式な苦情申し立てをしたそうです。
詳細は以下。

この女性大尉が恋人と踊っていたとき、彼女の所属中隊の最上級曹長がふたりを押しのけ、こんな会話になったんだそうです。


「ダンスをやめろ。こういう結びつきはこんな風におおっぴらにする必要はない」。彼女がどういう意味かと問うと、彼はまた言った。「お前らはダンスフロアから出るんだ」
"You [both] need to stop dancing; the unit does not need this kind of publicity." When she asked what he meant, he said again, "You [both] need to get off the dance floor."

米国では悪名高いDon't Ask, Don't Tell"(DADT、『聞くな言うな』:同性愛者/両性愛者の兵士が性的指向を公言したら解雇するという政策)が2011年9月20日に撤廃されています。しかし、大尉がそのことを指摘してもこの上官はふたりを「忌まわしいもの」「つらよごし」などと怒鳴りつけ、しまいにこのカップルをダンスフロアから乱暴に押し出してしまったとのこと。

最上級曹長は翌日、「謝罪」のために大尉の恋人に電話をかけたそうです。しかし彼は、同性愛者であることを受け入れると言いつつも、前日の出来事は「誤解」であり、レズビアンの側がそれを悪くとったのだと主張したとのこと。

最上級曹長はこの一件について取り合わないようにと要求したんだそうですが、女性大尉は憲兵隊に正式に通報したそうです。

この最上級曹長、「謝罪」のはずがぜんぜん謝罪になってませんよね。人を「忌まわしいもの」「つらよごし」呼ばわりして、あげく力でダンスフロアから追い出しておいて、いったい何が「誤解」なんだか。マイノリティへの暴言・暴力を糾弾されると「誤解だ」「お前が悪くとっているだけだ」として絶対に自分の非を認めない(それどころか相手に非があることにする)人って日本にもたくさんいますが、どこでも同じなんだなと思います。制度の上でDADTが撤廃されたのは喜ばしいことだけど、それは単なる一里塚で、まだまだ課題は山盛りなんでしょうねきっと。