トランスジェンダー少女の母「娘をあざけるのは子どもではなく大人たち」


英国ウスターシャー州ウスター市に住む10歳トランスジェンダー少女のお母さんが、「ウスターシャー・ニュース」に対し、娘を侮辱的にからかったりいやがらせをしたりするのは子どもよりむしろ大人たちだと語っています。少女のクラスメイトたちは大いに彼女を受け入れているのに、他の親や大人たちはそうではない、というのが彼女の主張です。

この女の子は身体的には男の子として生まれ、性別違和感(gender dysphoria)の診断がついています。2歳のときからトランスジェンダーの徴候があり、夏休み明けから女の子として通学させると家族で決めたのだそうです。他の子どもたちからのいじめはいくらかあったものの、ほとんどの子が彼女を女の子として受け入れているとのこと。

ところが、母親がこの子を地元商店に連れて行くと、ある大人から「化け物」と呼ばれたのだそうです。子どもを持つ人たちの中に、このトランス女児が通学を許可されたのを快く思わない人たちがいて、通りすがりに咳払いをして「あれが例の化け物一家だよ。あれがあの化け物の子だよ」などと言うのだとか。

以下、トランス少女の母親の弁です。


「人々に理解してもらおうとは思っていません。私はただ、うちの子を虐待しないでほしいだけです。
「娘を化け物と呼ばないでください。放っておいてください」
“I don’t expect people to understand. I just don’t want people abusing my child.
“I don’t want her to be called a freak. I want her to be left alone.”

この少女本人は、BBC 5 Liveで、友だちの反応について以下のように話しているそうです。


「本当に何も言われませんでした。ちょっと目を上げて、『まあ何でもいいけど』っていう感じで」
「みんな本当に気にしないんです。小さな問題はいくつかあるけど、それもなくなるでしょう」
“They haven’t really said anything. It’s been a little eye-up and then, ‘Whatever’.
“They haven’t really taken any notice. There have been a couple of little glitches but that’ll pass.”
ちなみに他の生徒の親たちが学校に苦情を入れたため、彼女はゲームのために着替えをするとき障害者用トイレを使うことを強いられています。

「男の子と女の子で分かれるんだけど、体育や何かでは私は男の子のチームに入らなくちゃいけないの」と彼女は語った。「でも、友だちは私の味方をしてくれて、『この子は女の子だと感じてるんだから、女の子のチームに入っていい』と言ってくれます」
“It is split for girls and boys, but in PE and stuff I do have to be with the boys’ team,” she said.
“But my friends stick up for me and say, ‘He feels like a girl so he can be on the girls’ team’.”

大人より子どもの方がよっぽど賢いわ。この少女がこのまま良い友達に囲まれてすくすく成長してくれるよう願います。