ウガンダの同性愛活動家、自宅で惨殺される


2011年1月26日、ウガンダで同性愛者の人権擁護活動家として知られたDavid Kato氏が、首都カンパラ近くの自宅で惨殺されたそうです。
詳細は以下。

2010年、ウガンダではタブロイド紙が同性愛者の写真と住所のリストを公開して「縛り首にしろ」と煽った事件がありました。Kato氏はそのリストに載っていた1人です。殺すという脅迫も受けていたそうです。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、事件の詳細は以下。


目撃者は警察に対し、2011年1月26日午後1時頃ひとりの男性がムコノ県にあるKatoの家に入り、Katoの頭を2度殴って車で逃走したと言っている。KatoはKawolo病院に搬送される途中で死亡した。警察はKatoの弁護士に対し、警察は逃げた車のナンバーを知っていて、現在その車を捜しているところだと伝えた。
Witnesses told police that a man entered Kato's home in Mukono at around 1 p.m. on January 26, 2011, hit him twice in the head and departed in a vehicle. Kato died on his way to Kawolo hospital. Police told Kato's lawyer that they had the registration number of the vehicle and were looking for it.

なお、凶器はハンマーだったそうです。

ウガンダは同性愛を違法とする国家です。最近のニュースは、こんな。

せっかく最高裁「同性愛者もまた権利を与えられているのである」と認めたとたんにこの事件。根深すぎるよ、ホモフォビア

David Kato氏はセクシュアル・マイノリティーズ・ウガンダ(Sexual Minorities Uganda, SMUG) のスポークスパーソンであり、最高裁タブロイド紙「ローリング・ストーン」に同性愛者のアウティングを禁じた裁判の原告でもありました。

Kato氏の友人Sokari Ekineさんは、「情熱的で頑固」だったKato氏について、以下のように書いているとのこと。


「デイヴィッドは何度もぶちのめされてきました」と彼女は書いた。「彼は絶え間なく嫌がらせを受け、家に押し入られていて、家の安全性を高めるために寄付を募っていました。数人がお金を送りましたが、充分ではありませんでした。誰かを責めてこう言っているのではありません。人はできるときにできることをするものなのですから。これは単なる事実です」
“David had been beaten up many times,” she wrote. “He was constantly harassed and his home was broken into, so he asked for donations to make it secure. A few people sent money but it wasn’t enough. This is no blame time – people do what they can and when they can. It’s just a fact.”

この事件が起こる前、あたしはウガンダのこちらのニュースを紹介しようと思ってたんですよ。

これは、英国に約8年住んでいるウガンダレズビアンのBrenda Namigaddeさん(29)が、母国への強制送還の危機に瀕しているというニュース。彼女が英国に渡った理由は、カナダ人の女性パートナーと暮らしていたために脅迫を受けたから。

ウガンダの通称「ゲイを殺せ」法案を推進しているデイヴィッド・バハティ議員は、Namigaddeさんについて、「悔い改めて改心するために」ウガンダに戻るべきだと主張しています。Lez Get Realの記者が、もしNamigaddeさんが議員と違う信念を持っていたらどうなるのかと尋ねたところ、議員は、犯罪者として裁判を受けることになると断言したとのこと。

こんな国に顔も名前も知られているレズビアンを強制送還するのは、死ねって言うのと同じことです。そう思って怒りにふるえているところに、今度は同性愛活動家撲殺のニュース。

ホモフォビアは人を殺すんですよ、本当に。フォビアが作り出す社会は、人を殺すんですよ。何をどう説明しようと、「自分は違う」「日本は違う」と言ってフォビアの垂れ流しを正当化する人は絶えないだろうけど、それでもあたしはしつこく言い続けるよ。