「米国国勢調査では7組に1組の同性カップルが見過ごされている」米研究で

アメリカの2010年のセンサス(日本の国勢調査にあたる人口統計)では7組に1組の同性カップルが見過ごされている」という研究結果が発表されたそうです。

詳細は以下。

この研究はハリス・インタラクティブによるもので、研究デザインはUCLAウィリアムズ・インスティテュートが行っています。2010年のセンサスの結果は12月31日まで公表されないのですが、この研究では「同性カップルがセンサスの調査用紙にどのように記入したのか」に着目し、上記の結果が得られたとのこと。

米国の2010年のセンサス用紙では、

  1. 世帯中の「人物1」(Person 1)とされるメンバーが、
  2. 「夫または妻」または「結婚していないパートナー」と暮らしていると述べていて、
  3. さらにその相手が同じジェンダーである時

だけ、同性カップルとみなされます。

ところが、今回の調査でわかったのが、同性同士のカップルのうち10パーセントはパートナーを「ハウスメイトまたはルームメイト」「その他親族以外の者」としていたということ。また、カップルのどちらも世帯中の「人物1」ではないというケースも5パーセントあったそうです。これらの計15パーセントのカップルは、センサス上では同性カップルとはみなされないことになってしまいます。

なお、センサス2010で、パートナーを「配偶者」「結婚していないパートナー」としなかった同性カップルの4分の1は、機密保持の面で懸念を持っており、3分の1は「配偶者」「結婚していないパートナー」以外の語の方がよかったと言っているとのこと。同性カップルの3分の1はまた、そのようなオプションがあることや、性的指向ジェンダーアイデンティティーについての項目がないことに腹が立ったと言っているそうです。
同性婚能州か否かでも、混乱が起こっています。同性婚能州に住む既婚同性カップルはほとんど全てがパートナーを「夫または妻」としているのに対し、同性婚を認めない州に住んでいる既婚同性カップルでは、10組のうち6組だけが「夫または妻」と答えているのだそうです。また、シビルユニオンや登録ドメスティック・パートナー制度を利用しているカップルでも答えは一様でなく、84パーセントが「未婚パートナー」とした一方で、16パーセントが「夫または妻」と回答しているそうです。

ちなみにこの研究によると、センサスの用紙に記入して提出した同性カップルは10組中9組。これは、人口全体の「10組中7組」という平均値を上回っています。

結局、真面目に回答しても、質問紙の設計がアホすぎて、同性カップルの実態は正確には反映されないってことですか。こんなまわりくどい方法で同性パートナーかどうかを判定しなくても、最初から「同性婚」「同性パートナー」etc.の項目を作ってしまえばいいのに、なぜそうしないんでしょう。質問紙を見ただけでショックを受けそうな保守層様への配慮なんでしょうか。

でも、アメリカのセンサスは、同性カップルをカウントしようっていう姿勢が一応あるだけでも日本の国勢調査よりはマシよね。あたしが体験した範囲では、日本の国勢調査ってこんなよ?

2010年度国勢調査ではなんか方針が変わったのか、それとも調査員さんによって言うことが違うのか、「用紙の手回収はしないので、封をして郵送してください」ってことでした。だからその場で調査票を見られて根掘り葉掘り質問される可能性はなくなったんだけど、今年はそもそも最初から


調査員「何人でお住まいですか」
あたし「1人です!」
ってことにして、用紙自体1人分しか受け取ってません。そんなわけで2010年、あたしは日本に存在しないことになります。平成22年 国勢調査 キャンペーンサイトには「この国に暮らす、すべての人が参加する調査です」とあるけど、その「すべての人」に入れてもらえてないってのに、誰がわざわざノンケ仮面かぶって協力なんかしてやるかボケ。

なお、日本の国勢調査に関しては、こちらが非常に興味深く、また勉強になりました。

単語・語句など

単語・語句 意味
designate 呼ぶ、称する
forthcoming 対応のよい、協力的な、やがて来る