デンマークのサッカーチーム、自叙伝で同性愛嫌悪をさらけ出した選手を解雇

デンマークのサッカーチーム「FC Midtjylland」が、自叙伝の中で同性愛嫌悪を露呈したゴールキーパーを解雇したというニュース。

元記事のタイトルを訳すと「ゴールキーパー、自叙伝のために解雇される」となります。そのため、UK Gay Newsでヘッドラインだけを見たときにはてっきり「自著でカミングアウトしたゲイ選手がクビに?」と思ってしまったのですが、逆でした。自著内でホモフォビアを書き綴った選手がクビになったという事件なんでした。

このたび解雇されたのはArek Onyszko選手。最近出版された自叙伝には、以下のように書かれていたそうです。


「俺はゲイが嫌いだ、本当に嫌いだ。やつらが女の子みたいな口調で話し合ってるのを聞くと糞むかつく。ゲイと同じ部屋にはいられないね。あいつらがキスし合ってるところを見てみろよ――気持ち悪いぜ」
‘I hate gays, I really do. I think it’s f**king disgusting to hear them talk to each other as if they are girls. I can’t be in the same room as someone who’s gay. Look at them kissing each other – it’s sickening,’

ちなみにOnyszko選手は今年6月、元妻への暴力で有罪判決を受けたために当時の所属チームOdenseから解雇されて、FC Midtjyllandに拾われたばかり。で、今度はわざわざ書籍の中でホモフォビアを表明してクビですよ。過剰なマチズモと同性愛嫌悪というのはサッカー界の二大悪だと思うんですが、このポーランドゴールキーパーはみごとにそれを具現化した選手だと言えましょう。

ちなみにOnyszko選手は、クラブから、本の執筆ではなくサッカーに集中しろと言われていたとのことです。それを無視して発表した本の内容がこれだったということみたい。以下、FC MidtjyllandのJens Ørgaard代表による声明。


「この夏、有罪判決の後でArek Onyszko選手に新しいチャンスを与えたときには、私たちは正しいことをしたと思っていました。彼は処罰を受けましたし、他のあらゆる人と同じく、立ち直るための助けを必要としていました。しかし最近になって彼は私たちの信頼を裏切りました……警告されたにもかかわらず、彼は本を書き続け、FC Midtjyllandは今に至るまで本の存在を知りませんでした」
‘We felt we did the right thing in the summer when we offered Arek Onyszko a new chance after his conviction. He was punished and like everyone else needed help to get back on his feet again. But lately he has abused our trust... despite warnings, he continued to work on the book project and FCM had no knowledge of its existence until now,’.

FC Midtjyllandにはお気の毒と言うよりほかありません。でも、とりあえずクラブ側にホモフォビアを許さないという姿勢があってよかったわ。つか、デンマークという国自体に、そういう選手を擁護することがクラブにとってマイナスになるという土壌があるのかもですが。