オバマ大統領、マシュー・シェパード法に署名

「米国連邦議会、マシュー・シェパード法を可決 - みやきち日記」の続報です。2009年10月28日、オバマ大統領がマシュー・シェパード法(Matthew Shepard and James Byrd, Jr. Hate Crime Prevention Act)に署名したとのこと。これにより米国では性的指向ジェンダー、障害、ジェンダーアイデンティティを理由とした犯罪が、連邦レベルでヘイトクライムに含められることになりました。以下、オバマ大統領の弁。


10年以上反対され続けた後で、我々は、我々の市民を外見や、愛する相手や、どう祈るかや、自分自身の本当の姿を理由として受ける暴力から保護することの助けになる包括的ヘイトクライム法を可決した。
After more than a decade of opposition we passed inclusive hate crimes legislation to help protect our citizens from violence based on what they look like, who they love, how they pray or who they are.”

続いて、この法案の名前となったマシュー・シェパードのお母さんであるジュディ・シェパードの言葉をどうぞ。


とりわけ、単に包み隠さず正直に生きているというだけの理由で攻撃を受け続けるヘイトクライム被害者とその家族を代表し、議会と大統領がこの一歩を踏み出してくれたことに、非常に深く感謝します。
“We are incredibly grateful to Congress and the president for taking this step forward on behalf of hate crime victims and their families, especially given the continuing attacks on people simply for living their lives openly and honestly.”

ジュディ・シェパードに関しては、2007年のこの発言にも共感です。


「無実の傍観者などというものは存在しません、
There's no such thing as an innocent bystander,"

「人は誰か他の人が襲撃されているのを見ると自分の身が心配になるものですが、そんな襲撃を起こるにまかせておくのだとしたら、私たちの倫理基準はどうなってしまうのですか?」
"We fear for ourselves when we see someone else being attacked, but where is our moral compass if we allow that to happen?"

ともかく、この法律が無事成立してよかった。「単に包み隠さず正直に生きているというだけの理由で攻撃を受け続ける」なんてことは、本来あっちゃならないことですもんね。

単語・語句など

単語・語句 意味
inclusive 包括的な
legislation (制定された)法律
moral compass 倫理基準