米海軍、ゲイ水兵虐待事件の責任者に処罰を与えると発表
- Navy acts on gay sailor abuse case after intervention by Sestak - Lez Get Real
- US Officer Finally Fired on SameSame.com.au
- Navy petty officer to face punishment in hazing - Kansas City Star
「売春婦と寝ることを拒否したゲイ水兵、基地内で2年にわたって虐待される - みやきち日記」の続報です。2009年10月21日、米国海軍が、虐待事件の責任者であるMichael Toussaint兵曹長に処罰を与えると発表したとのこと。
この事件は、2004年から2006年の間、Bahrainの米海軍軍用犬部隊で、Joseph Rocha元三等兵曹がゲイであることを理由に虐待され続けていたというもの。具体的には手足を縛られて糞便だらけの犬小屋に押し込まれたり、フェラチオの真似をさせられてしかもそれを録画されたり、机に向かってかがまされた上で何度も殴られたりしたそうです。彼は軍を辞めた後も、こうした虐待によるPTSDに苦しんだとのこと。
にもかかわらず、海軍はこの事件の責任者であったMichael Toussaint兵曹長を上級兵曹長に昇進させており、このことがペンシルベニア州下院議員にして元海軍提督のJoe Sestak氏の注意を引きました。Sestak下院議員が事件をもう一度調べるようにという手紙をRaymond Mabus海軍長官あてに送ると、先月、海軍は申し立てを再調査することを決定。そして今月、ついにMichael Toussaintへの処罰決定が発表されたんだそうです。
ちなみにToussaintの後釜として部隊を率いることになったJennifer Valdivia一等兵曹は、この事件の調査中に自殺したとのこと。自殺の理由は明らかにされていませんが、Valdivia一等兵曹は自殺する前、MySpaceに、他人の行動の責任を取らされるのが嫌になったと書いていたと報じられています。
Toussainは服務期間延長を取り消され、強制退職となるとのこと。さらに、これから決定される退職時の給与等級によっては、退職で受け取れる金額が著しく減らされる可能性もあるそうです。
とりあえず虐待事件の責任者が処罰を受けることになったのはよかったと思うんですが、下院議員が手紙を書くまではそういう人物をけん責するどころか昇進させていたっていうのがひっかかるところですね。エライ人が乗り出してこなければ、ひょっとしたらそのままだったんでしょうか。オバマ大統領には"don't ask, don't tell"だけでなく、軍隊内部でのこうした同性愛者いじめも根絶してほしいものです。
単語・語句など
単語・語句 | 意味 |
---|---|
Chief Petty Officer | 兵曹長 |
hazing | 新入りいじめ、(水夫の)酷使、水夫いじめ、しごき |
censure | 非難、とがめ、けん責 |
enlistment | (兵役)服務期間 |
vacate | 無効にする、取り消す |
convene | (会・人など)を招集する |
advisory board | 諮問委員会 |
paygrade | (軍人の)給与等級 |
take another look at... | 〜をもう一度見る |
Navy Secretary | 海軍長官 |
CNO | 海軍作戦部長 |
political science | 政治学 |
Petty Officer First Class | 1等兵曹 |