ポルトガル最高裁、同性婚禁止を支持


ポルトガル最高裁判所は、婚姻の権利を求めていたレズビアンカップルの訴えを退け、同国の同性婚禁止を支持する判決を下した。先月3日、AP通信が伝えた。
いずれも子どものいるテレサ・ピレスさんとヘレナ・パイシャオさんカップルは2006年、婚姻手続きを試みた。しかし、婚姻は異性間に限られるという憲法上の規定を根拠に、リスボン登録事務所が申請を拒否。そのため、2人はこれを不服として2年前に訴えを起こした。
訴えを審理した裁判所は、ウェブサイトに掲載した声明の中で、憲法性的指向に基づく差別は禁止されるものの、憲法同性婚の容認までは求めていないとした。
ピレスさんとパイシャオさんはヨーロッパ人権裁判所に上訴する考え。

そもそも「婚姻は異性間に限られるという憲法上の規定」の根拠がよくわからないんですけど。あと、同性愛者を結婚制度から締め出すのなら、


ポルトガルでは2004年、同性カップルを含む同棲カップルを対象に税金控除等を認める法整備が行われた。しかし、婚姻により得られる権利からはかけ離れた内容となっている。
という状態は不平等ですよね。税金控除が認められている分、日本よりはマシかもですが。ああでも、日本で「結婚した人だけ優遇されるのは不平等」と発言すると、「そうでもしなければ若者を結婚に追い込めず、国が滅びる!」とか言い出す人が絶対出てきそうで嫌だなー。既存の「結婚」がわざわざ権利で釣って追い込まなければならないほどイヤなものだと思われてるんだとしたら、もうそんな制度自体やめちゃえばいいのに。「結婚=子作り」って公式はもはや崩れてしまっているんだし、人間を工業製品みたいに一律に「結婚」という機械に押し込んで「家族」「子供」という製品を作らせよう、そのために機械の中に入ったものだけに特権を与えよう、みたいなのはやめようよもう。

そうは言っても、文化人類学的あるいは宗教的な意味で、リチュアルとしての「結婚」が重要だというのはわかるんですよ。だから、「人生の節目としてきちんと結婚したい」とか、「神の前で誓いをたてたい」とかいう人のために結婚制度そのものは残しておけばいいと思うんですよね。で、「したければ誰でも結婚できるけど、しなくても別に不利は強いられない」っていう風にするのが、結局は異性愛者にとっても有益なんじゃないかと。

ちなみにPink Newsの記事によると、今回のポルトガル最高裁での判決では5人の判事の評決が3対2だったそうで、同性婚容認まであと1歩というところだったみたいです。パイシャオさんはこの評決結果を指して「変化が近づいているということの現れだと思います。人々は少しずつ同性婚を認めるようになるでしょう」と述べている模様。また同国では、9月の選挙に向けたマニフェスト同性婚容認をかかげている党もあるそうです。とりあえず、ヨーロッパ人権裁判所での判決を見守りたいと思います。